サッカーの2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で日本代表がミャンマー代表とヤンゴンで対戦した6日、三重県内がサッカーファンを中心にちょっとざわついた。三重県鈴鹿市出身の旗手怜央選手(セルティック)も先発メンバーの一員として立ったピッチの脇に「観光三重」の広告が掲出されていたからだ。
「観光三重」は三重県観光連盟の公式サイト。ミャンマーの競技場のピッチに映る光景に、試合中からX(旧ツイッター)ではテレビ中継を見ていると思われるファンらから「観光三重ってどういうことや?」「三重県が代表戦に広告を出しているの?」「気になりまくってた」などのメッセージが相次いだ。
「観光三重」のアカウントも「ミャンマー戦をご覧のみなさん⚽こんばんは」「三重県の観光情報を発信しています」「この機会に観光三重を、三重県を知ってもらえたら中の人も嬉しいです」などと投稿を続けた。
企業名や商品名が並ぶ中、異色の「観光三重」の広告が出されたのはなぜか。県観光部によると、3月末から民間企業なども加えて観光PRのための施策を検討する中、サッカーの日本代表戦での広告掲出のアイデアが出され、実現に至ったという。担当者は「大都市圏、特に人口の多い首都圏から宿泊を伴う観光客を誘致したいと考え、関心の高いW杯予選に注目した」と話す。
県では24~26年度の県観光振興基本計画で「国内誘客の推進」を戦略の一つに挙げている。目標として、新型コロナウイルスが感染拡大する前の2019年に821万1000人だった日本人延べ宿泊者数を26年に995万6000人することも掲げる。比較的近い関西圏や中京圏だけでなく、首都圏からも観光客を呼び込みたい考えだ。
今回の広告掲出で、XなどSNS(ネット交流サービス)上のような反応が県にも届いたという。今後はどのような効果があったのかを検証し、さらなる展開につなげる。
W杯2次予選で日本代表は11日にエディオンピースウイング広島でシリア代表と対戦する。次戦でも広告を掲出をするのか尋ねると「なんともいえない」と担当者は明言を避けた。サッカーの日本代表戦で再び「観光三重」が見られる日が来るかもしれない。【村社拓信】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。