KTSライブニュースでは「街ネタ調査隊」と題し、街で気になる話題を、ニュースの目線で徹底調査しています。
今回は、いま注目されている、「昭和レトロ」についてお伝えしていきます。
KTSアプリのアンケートで「昭和レトロについて関心がありますか?」と聞いたところ「関心がある」と答えた方が80%でした。
さらに「昭和レトロ、何が好きですか?」と、年齢別に聞いたところ、
昭和生まれの人は「懐かしい」「かわいい」「落ち着く」といった声が多かったのに対して、平成生まれの人は「新鮮」「おしゃれ」といった声が目立ちました。
なぜ今「昭和レトロ」が支持されているのか、調査してきました。
昭和レトロ。今、昭和の時代の空気感やアイテムが若者たちにウケています。
昭和レトロの象徴的なスポット、鹿児島市の名山町も、昔懐かしいたたずまいに惹かれて 若者たちが多く訪れます。
今、なぜ「昭和レトロ」がアツいのか。そこで…
庄村奈津美記者
「こんな物つくっちゃいました~。あなたの『昭和レトロ』を見せてください、ということで、街のみなさんに色々聞いてみたいと思います!」
専門学校生
「生まれていない、前の時代とかを味わえるのが、新しい感じがしていい」
高校生
「おばあちゃんの家で見たことがあって、コップに黄色い花(の柄)がいっぱいあって」
大学生
「あえてちょっと画質が悪い写真がおしゃれ」
一人暮らしをしているという男子大学生は、今まさに「昭和」の雰囲気に包まれて暮らしているそうです。
大学生
「家の蛇口。いま住んでいる家がグルグル回すタイプの蛇口で」
「お風呂入ろうと思ってお湯を出すんですけどずっと水で。10分ぐらい待ってやっとお湯が出る。身近なもので昭和だなと思う」
最近は、鹿児島でも古い道具を扱うお店が増えています。
庄村奈津美記者
「コチラのお店では、古道具を扱っているということで、実際に私も「昭和レトロ」感じてみたいと思います」
お店を営むのは、甲斐奈緒子さん。昭和生まれの45歳です。夫婦で古民家を改修し、店内には昭和のアイテムがたくさん並んでいます。
まず気になったのがランプ。
「ここの家」店主・甲斐奈緒子さん
「だいたい1970年代のナショナル(現・パナソニック)の物になりますね。中が白なんですけど、2色使いになっています」
庄村奈津美記者
「こちらは?」
甲斐奈緒子さん
「これはパン箱です」
木箱に印字された昔ながらの文字に、粉ミルクの箱など今となってはなんだか「かわいさ」も感じますね。
そもそも、なぜ古道具のお店を?
甲斐奈緒子さん
「祖父の影響で、祖父と暮らすことが多かったので、昔のいい物をいい家具を持っていたので、それに触れていたら…大人になって再燃したのか」
何より甲斐さんが今、古道具に引かれる理由とは?
甲斐奈緒子さん
「手がかかるところ。不便さの中に…いま便利じゃないですか。スマートフォン一つ有れば何でもできるから」
「でも、その不便さの中に、自分が手を加えていくことによって愛着が生まれていく」
ガラスの汚れは磨いて、ほこりは拭き取って。
「昭和」を生きて、ここまでつながれてきたアイテムの数々。
庄村奈津美記者
「いやー、懐かしいですね~!」
甲斐奈緒子さん
「すべてアデリアのものです」
庄村奈津美記者
「オレンジ、黄色、白、なんかこの色」
「アデリア」とは創業200年のガラスメーカーが手がける食器ブランドです。昭和36年(1961年)に誕生したアデリアのコップは半世紀以上、親しまれてきました。
甲斐奈緒子さん
「新しく復刻して、出されていて、かわいいですよね」
その復刻版が「アデリアレトロ」。生産終了となっていたレトロプリントの食器を復刻版として販売しています。
「アデリアレトロ」販売促進担当 吉澤有由夢さん
「この柄は昭和時代からあった『アリス』というデザインなんですけど、こちらは復刻版で出した台付きガラスという形状なんですが、この形が『レトロっぽい』『クリームソーダを入れるとかわいい』みたいな反響が大きくて」
きっかけはSNS上での昭和人気でした。
「アデリアレトロ」企画メンバー・デザイン担当 杉本光さん
「一番最初のきっかけはSNSでの調査だったんですね。昭和当時の作られたヴィンテージのアデリアのガラスの写真がたくさんヒットしてまして、これだけ人気なのであれば、これを復刻させたらすごく喜んでいただけるんじゃないかということで、『アデリアレトロ』を販売することになりました」
SNSから生まれた「アデリアレトロ」。日々、商品開発する中で、今もSNSは欠かせない存在だと話します。
「アデリアレトロ」企画メンバー・デザイン担当 杉本光さん
「復刻するときに、昭和当時に作られたヴィンテージのグラスがサンプルとして必要だったりするんですけれど、それをフォロワーの方が、結構昔のグラスコレクションしている方が多いので、それを開発用に貸してくださったりとかして、本当にいつもいろんな方に助けていただきながら商品を作っています」
SNSがリードする現代の流行のカタチ。世代・トレンド評論家の牛窪恵さんはこう分析します。
世代・トレンド評論家 牛窪恵さん
「昔はもう本当にマスコミュニケーションですから、テレビ・雑誌・新聞というところだったんですけれども、SNSっていうのも国境を越えていく」
さらに、牛窪さんはトレンドのサイクルについてこう話します。
世代・トレンド評論家 牛窪恵さん
「よく言われてるのは20年から25年周期。20年から25年ぐらい経つと新鮮さが蘇ってくるというところもある。最近大きいと思うのは、お子さんやお孫さんと仲がいい人たちが、もうこの20年ぐらいですごく増えていて、お子さんやお孫さんに与える影響が、トレンドのサイクルにもなっているのではと言われている」
今回「昭和レトロ」の調査を通して、SNSなどの新しいデジタルのツールが流行を先導する一方で、昔ながらの「アナログ」の世界を楽しむ、ハイブリッドな現代の暮らしの姿が見えてきました。
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