福井市の住宅街を騒然とさせた18日のクマの出没について、野生動物に関する生態研究の国内第一人者、石川県立大学の大井徹特任教授に聞きました。
 
石川県立大学・大井徹特任教授:
「今回、人目がある住宅地や農耕地などを通ってきたのなら、花堂に至るまでに目撃があるが、それがないということは河川や用水を移動経路にしてたどりついたのではないかと考えられる。移動するときは直線距離で10キロ程度動くときもある」
 
今回、クマが居座った現場となった場所の東側には足羽川、西側には日野川が流れています。移動距離10キロ圏内にはクマが生息する山地があり、河川敷や用水路を通って市街地にたどり着いたことが考えられるといいます。
  
大井教授に、今後の対策などについても聞きました。
  
▼今回のクマの特徴について
2~3歳と若い個体だという可能性がある。6月、7月は若い個体の1~2歳が中心になるが、今はそういう若い個体が新たな住処を求めて活発に移動する時期なので、クマが思いがけないところで発見されることはよくある。
 
▼市街地に出没した理由
迷い込んでしまったとしか言えない。河川敷に下りて来て何らかの原因で人やイヌに驚いて市街地の中に入ってしまったか、市街地にある生ごみですやペットフードを見つけて、さらにそれを探しているうちに住宅地に入ってしまったと考えられる。まれなケースではあるが、それが起こりやすい状況になっている。全国的にクマの分布域が、山奥から人里に広がってきている。その傾向はずっと続いている。人が住むすぐそばにクマも生活する状態になっている。
 
▼寄せ付けない対策
クマが来て困る所にはえさになるようなものはおかないこと。住宅地では、家庭からでた生ごみ、ペットのえさを放置しておかないことが必要。開けたところはクマが嫌うので、住宅地などで、やぶの刈り払いをすることでクマが出てきても見つけやすく、身を守ることができる。

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