鳥取砂丘で取り除かれた草を紙の原料に活用する提案をした当時の高校生に、アイデアをきっかけに実現した和紙のレターセットが贈られました。
鳥取砂丘で取り除かれた雑草が漉き込まれた、因州和紙のレターセット。鳥取県が鳥取市佐治町の工房に依頼し、製作しました。このレターセットが生まれるきっかけになったのが、県議会が2年前に開いた「高校生議会」でした。
米子北斗高校3年生・岩田彩杏さん(当時):
鳥取砂丘では緑化が進行しており、年間9.2トンの植物が処分されています。そのため除草を定期的に行わなければならない。この処分される植物の活用策として、雑草を原料にした折り紙「Kusarigami」を提案します。
当時、米子北斗高校3年生の岩田彩杏さんが、鳥取砂丘で取り除かれた雑草をリサイクルして「折り紙」をつくり、子どもたちの環境教育に生かす取り組みを提案。形は変わりましたが、このアイデアをヒントにレターセットがつくられました。
この日は米子市の母校で、現在は島根大学に通う岩田さんに、県の担当者からレターセットが贈られました。
島根大学2年生・岩田彩杏さん:
まさか実現するとは思っていなかったので驚いた。提案とは違うレターセットという形になったけど、実際に見てみて、これもありだなといううれしさもある。
レターセットに使われたのは、本来は鳥取砂丘に自生しない「チガヤ」という植物。ボランティアなどで年間7トンから8トンが取り除かれますが、2023年まで、そのほとんどが焼却処分されていました。
この厄介者の「チガヤ」が、鳥取に受け継がれた技術で和紙に変身。はがき、メッセージカード、しおりの「レターセット」になりました。除草ボランティアの参加者にお礼の品として手渡されます。
島根大学2年生・岩田彩杏さん:
鳥取砂丘の雑草を抜くボランティアの方も増えてきたと、話を伺ったのでこのレターセットを知ってもらうきっかけが増えたら良いなと思います。
新たな使い道が見つかった厄介者の「チガヤ」。鳥取砂丘を取り巻く環境問題への関心を高めるひとつのきっかけになりそうです。
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