食べられるのに捨てられる「食品ロス」の経済損失額は4兆円――。消費者庁などが21日、2022年度の食品ロスの推計値を発表、初めて経済損失額も試算した。ロス量は472万トンで、国民1人当たり1日88円相当、年間で38キロを廃棄していることになるという。

 食品ロスの約半分を占める食品産業が出す事業系ロス量は前年から15.4%減の236万トン。農林水産省の担当者は、事業者の需給予測がより精緻(せいち)になったことや、メーカーから小売りへの納品期限を緩和する取り組みが広がったことなどが、減少につながったとみる。国が定めた30年度までに00年度比でロス量を半減させるという目標を達成し、新たな目標の設定の是非を検討する方針。

 家庭系ロス量は236万トンで、環境省の担当者は、前年に続き、在宅時間が増えたコロナ禍の影響があるとしつつ、「ロス量は世帯の特徴に応じているので一律に理由を示すのは難しい」と話した。家庭系ロス量も減少傾向だが、30年度までの目標値の216万トンには達していない。(寺田実穂子)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。