国内で初めて繁殖に成功したアフリカハゲコウのヒナ(下)=山口県美祢市で2024年6月19日午後1時17分、杉山恵一撮影

 山口県美祢市の自然動物公園「秋吉台サファリランド」は、陸生で最大級の野鳥とされるアフリカハゲコウの繁殖に成功し、19日にヒナ2羽の公開を始めた。同園によると、国内でアフリカハゲコウのヒナが生まれたのは初めてという。

 アフリカハゲコウはコウノトリ科の鳥で、アフリカのサバンナ地帯に生息する。肉食動物の食べ残しなどを餌とし翼を広げると2・5メートルになる。同園では2009年に飼育を始めた。

 現在は国内の10施設で飼育されているが、繁殖が難しく国内では成功例がなかった。近年、野生動物の輸入制限が厳しくなっていることから同園は繁殖に取り組んでいた。

 今回生まれたヒナは、同園が飼育するアフリカハゲコウの雄ギンと雌キンの子で、今年5月にキンが産卵した四つの卵から今月5日と11日にふ化した。ヒナは現在、体長20センチ、体重1キロまで成長し、空腹になると「ガガガ」と鳴いて親鳥に餌をねだる。

 親鳥は交代でヒナを育てているといい、担当する同園の獣医師、大下梓さんは「雄の気性が激しく繁殖が難しい鳥だが、協力しあってヒナを育てる姿には感動する」と声を弾ませる。ヒナの性別はまだ分かっていないが、3か月ほどは子育ての様子を観察できる。【杉山恵一】

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