蒸し暑い梅雨のシーズン、注意が必要なのが「梅雨型熱中症」だ。湿度が高くなる時期、自分でも気づかないうちに熱中症の症状になっていることがある。自治体による暑さをしのぐ「クーリングシェルター」の指定も進み、暑さと湿度から自ら命を守る必要がある。
自分でも気づかずに「脱水症状」と「体温上昇」が進む
6月21日昼前の長崎市の気温は32.4度、湿度は92%。観光スポット眼鏡橋を歩いている人もジメっとした暑さにまいっている様子だ。
この記事の画像(7枚)専門家がこの時期注意を呼びかけるのは「梅雨型熱中症」。湿度が大きく影響する「梅雨型熱中症」は、暑さに慣れていない時期に自分でも気付かないうちに「脱水症状」と「体温の上昇」が進んでしまうのが特徴だ。
人は汗をかいて体の熱を逃がそうとするが、湿度が高いと汗が蒸発せず熱が体にこもって体温を下げにくくなり熱中症のリスクが高まる。
塩分の摂取と環境づくりを
長崎県内では4月末から6月16日までに82人が熱中症とみられる症状で搬送された。
2023年は5月29日に梅雨入りしている。梅雨入り直後に搬送された人は2024年より多いことからもわかるように、梅雨入りしても熱中症への警戒は必要なのだ。
九州北部地方は6月17日に梅雨入りしたばかりで、しばらく湿度の高い日が続く。予防のポイントは「スポーツドリンクや経口補水液」だ。
長崎みなとメディカルセンター救命救急センター・山野修平医師:ポイントとなるのは、水だけ飲むのではなく、塩分の入ったスポーツドリンクや経口補水液などをこまめに摂取することが大切。
エアコンと除湿器を併用することなども効果的だ。専門家は熱中症にならない環境づくりや体調管理などを心がけてほしいと呼びかけている。
暑さをしのぐ「クーリングシェルター」
これからの危険な暑さから身を守るにはエアコンがある涼しい環境で過ごすことが一番だ。この夏、各自治体で指定が始まったのが「クーリングシェルター」=「指定暑熱避難施設」。
2024年4月1日に全面施行された「改正気候変動適応法」に基づき、適当な冷房設備などの要件を満たす施設を、誰もが利用できる暑さをしのげる場所として市町村が指定するものだ。
長崎市は6月、市役所や公民館など市内の23カ所をクーリングシェルターに指定した。市役所では玄関周辺のベンチなどで暑さをしのぐことができる。長崎県内では2023年5月から9月末までに925人が熱中症で搬送されていて、暑さや熱中症対策は大きな課題となっている。国は2024年4月から暑さ指数などをもとにした特別警戒アラートの事前発表など熱中症対策を強化していて、県内では、長崎市のほか長与町や松浦市などでもクーリングシェルターの指定を進めている。
長崎市市民健康部健康づくり課の古賀陽子課長は「今回クーリングシェルターとして指定した場所は普段から市民が使えるところなので暑さをしのぐ場所として使用ほしい。民間の施設などにも呼びかけて指定の拡大を図っていきたい」と話す。他の自治体では、商業施設がクーリングシェルターとして指定されているケースもあり、長崎市も指定施設として追加していきたい考えだ。
(テレビ長崎)
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