季節外れの猛暑や豪雨など、異常気象の影響が私たちの生活に及ぶ中、食を支える農作物にも大きな影響が。
どのような対策が必要なのだろうか。
東京・立川市の野菜農園で育てられた色とりどりの野菜は、味や香りなど、品質が良いことから、高級ホテルのレストランなど引く手あまただ。
そんな人気とは裏腹に、農園では異常気象による影響が。
カラフル野菜の小山農園代表・小山三佐男さんは「高温障害を受けてしまった」と話す。
ハーモニーニンジンと呼ばれる細長いニンジン。
ゴールデンウイーク前後の気温上昇で、多くのニンジンで表面が割れるという被害が。
カラフル野菜の小山農園代表・小山三佐男さん:
土の温度が高すぎて、土の中の酸素がなくなり、人間でいう窒息状態になってしまう。
異変は、ほかの野菜にも。
立派に育っているように見えるが、季節外れの高温で異常に生育したレタス。
小山三佐男さん:
レタス生育の適温は25度~30度。それ以上になると、“とう立ち”という現象が起きて、真ん中の芯だけ伸びてしまう。
ブロッコリーも季節を勘違いして、花を咲かせる事態に。
2023年、少なくとも150万円の損失があったという小山さん。
激変する日本の気候に対応を迫られ、数年前から暑さに強い野菜を育て始めた。
カラフル野菜の小山農園代表・小山三佐男さん:
こちらのトウモロコシ、“大和ルージュ”といって、熱に強いし、根の張り方がしっかりしていて風にも強い。
東南アジア原産のスイートコーン。
暑さに強く、甘いところも受け入れられ、栽培を始めた2年前と比べ、作付面積を2倍に増やしたという。
さらにビールのモルト粕を畑にまき、土の中の微生物を増やして暑さに強い野菜を育てているという。
カラフル野菜の小山農園代表・小山三佐男さん:
どの野菜が熱に強いか、それなりに勉強していかないと農業も成り立たないと思う。
続いて訪れたのは、野菜の種や苗。
肥料、農具が全て管理された今、人気のサポート付きの貸農園。
大都市圏を中心に累計7万人が利用しているという。
株式会社アグリメディアシェア畑運営責任者の高瀬一綺さんは「梅雨入りが遅く、昨年に比べるとまだ涼しい時期が続いている。いったんヤマ場を越えたかなと」と話す。
それでも梅雨が明け猛暑になると対策が必要だという。
高瀬一綺さん:
この畝の周りにしっかりと水をまいていく感じ。(水をまく時間帯は?)朝や夕方にやるといい。
さらに、園芸店で手に入る黒の遮光ネットは地中の温度上昇や地面の乾燥を防ぐ効果があるそうだ。
これまでの常識が通用しなくなりつつある日本の農作物をめぐる環境。
新たな方法で危機を乗り越えようとしている。
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