7月1日から始まる博多祇園山笠。

飾り山笠(かざりやま)や舁き山笠(かきやま)の準備も終盤に差し掛かっています。

福岡県那珂川市にある工房で作業するのは、博多人形師の白水英章さん。

今年は3つの飾り山笠と2つの流の舁き山笠を担当しています。

◆博多人形師 白水英章さん
「うちは多い方ですね。神事で奉納行事なので、伝わればなっていう風に思って作っています」

7月に向けて大忙しの白水さんですが、今年、制作する中で頭を悩ませていたのは、材料の値上がりです。

◆博多人形師 白水英章さん
「請求書が来たときに『おおっ』って思ったりはしますね。(材料費は)上がっていますね」

人形制作に欠かせない木材や発泡スチロール、衣装の生地など、ほぼすべてが軒並み値上がり。

全体の制作費は、コロナ渦前に比べ2割から3割ほども上がっているといいます。

限られた予算の中で、だれもが納得する山笠をいかに作るのか、葛藤があるといいます。

◆博多人形師 白水英章さん
「(品質を)落とそうと思えばいくらでもできる。ただ、『華やかに』というものが下がってくると思うし、自分の中で『ちょっと嫌だな』とか、『これ使いたくないな』っていうのもあるし」

年に一度の山笠、人形師として妥協はできません。

見栄えを維持しながら、いかにコストを抑えるか、試行錯誤を繰り返しています。

◆博多人形師 白水英章さん
「金襴(きんらん)とかは、光にギンギンに当てたりとかしなかったらそんなに痛むわけではないので、前年使った人形の残りは、例えば、ちょっとしか見えてないところに使って」

前年の制作で残った分やこれまでストックしていた物などを活用して費用を抑えつつ、迫力のある山笠を作ろうと苦心しています。

◆博多人形師 白水英章さん
「毎年やけど、無事奉納。めちゃめちゃ楽しんでもらっていいけど、やっぱり神事で、奉納行事でケガしないように、夏を楽しんでもらえればいいなと」

博多の夏を象徴する伝統行事、博多祇園山笠。

物価高に翻弄されながらも、7月の本番にむけて準備は着々と進んでいます。

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