秋田県立横手高校の競技かるた同好会が、結成からわずか3年で秋田県大会の頂点に上り詰めた。初心者から経験者まで一丸となって全国一を目指す強さの秘密に迫った。
しなやかに。ダイナミックに。美しく。かるた競技の全国一を目指し心身の鍛錬に余念がないのは、横手高校競技かるた同好会のメンバーだ。
同好会は、2021年の結成からわずか3年だが、5月に北秋田市で行われた競技かるた県大会の団体戦で初優勝し、7月に滋賀・大津市で開かれる全国大会への切符を手にした。
高橋和佳主将(3年):
「みんな仲が良くてすごくにぎやかで、かるたもみんなで強くなっている感覚があってすごく楽しい。みんなで高め合っているところだと思う」
読み手が読む短歌の上の句を聞いて、相手より先に札を取っていく競技かるた。100枚のかるたから25枚を無作為に選び、自分の前側・自陣に並べていくが、勝負はその時から始まっているという。
小山紗和さん(3年):
「自分の利き手に近いところに、聞いて早く取れる札を置く。相手の札を見て、似ている音で始まる札があったら対角線に置いて離すなど意識している」
田丸舞さん(3年):
「“大山札”(6文字目まで聞かないと確定できない札)を自分の近いところに置いて、すぐ囲い手(相手に先に札に触られないように手で札を囲うこと)にいけるようにする。逆に、得意な“一字決まり”(1文字目だけで確定できる札)は払いやすいところに置いたりしている」
このようにして並べた札をいかにして取るか。札と体との距離感や札の払い方を体に覚えさせるための練習を見せてもらった。
高橋和佳主将:
「“払い練習”は、音を聞いて動く練習。タイミングをつかむ練習にもなる」
自陣の両端と敵陣の両端4カ所それぞれに狙いを定め、1・2・3・4の合図で払う。
藤田悠希さん(3年):
「人それぞれ手の長さや体格がばらばらなので、自分に合った取り方を何回も再現できるよう練習している」
試合では、先に札に触れた方の「取り」となるため、最短距離で手を動かすことが重要だ。実際の試合では音を聞いたり手を動かす以外にも様々な力が試されるという。
高橋和佳主将:
「体力はすごく必要。1試合は1時間以上かかるので、体力・集中力・瞬発力などいろいろな力が必要」
かるたを題材とした人気漫画に影響された2人が立ち上げた同好会。現在は24人まで増え、全国大会に向けて会全体でレベルアップを目指している。
田丸舞さん:
「今回の大会で私は3年生なので引退で最後。自分の力を出し切って優勝できるよう頑張りたい」
小山紗和さん:
「励まし合いながら、周りの士気を高めながら、自分のモチベーションを上げて試合に臨むというところが頑張りどころ。自分の力とみんなの力を最大限に発揮したい」
藤田悠希さん:
「まずは自分が1勝を勝ち名乗れるよう、自分のレベルをどんどん高めて、チームの勝ちに貢献できるよう頑張りたい」
高橋和佳主将:
「いろいろな全国の強いチームと当たって、みんなでかるたができる時間が長くなるよう、できるだけ長く団体戦の試合ができるようにみんなで頑張りたいと思う」
(※高橋和佳さんの「高」は「はしご高」)
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