Q 豚の角煮が好きで、よく作るのですが、どうしても硬くなってしまいます。注意点を教えてください。 A 乾燥防ぎ、弱火で長時間

完成した軟らかい豚の角煮

 軟らかさとおいしさを兼ね備えた角煮の作り方を、辻調理師専門学校東京(東京都小金井市)の日本料理の教員、満園聖(みつぞのきよし)さん(60)に教えてもらいました。  「硬くなってしまう原因は、ゆで時間が足りない、加熱温度が高すぎる、液体に漬かっていないといった理由が考えられます」。そこで今回は、時間をかけて弱火で煮込み、肉を乾燥させないように工夫して作る方法を実演してもらいました。  まず、豚バラ肉を二つに切り、大きな鍋にたっぷりの水とともに入れ、中火にかけます。この時、肉が浮いて乾燥しないよう、肉の表面にペーパータオルをかけます。沸騰直前になったら、弱火にして約2時間ゆでます。「お湯の表面が揺れない程度の、ごく弱火で85度くらいをキープします」。温度が高すぎると、肉がぱさついてしまうので、沸騰状態にしないことが大事だといいます。

煮上がったら、乾燥防止で豚肉にかけていたペーパータオルを外す

 ペーパータオルを外し、豚肉に竹串がすっと通るぐらい軟らかくなっていれば、火を止めて、そのまま鍋の中で冷まします。時間をかけて作るので、いったんここで中断しても構いません。その場合は豚肉にペーパータオルをかけ、ゆで汁ごと冷蔵庫に入れて保存します。  豚肉が十分冷めたら、肉をさらに切り分け、煮汁の材料と一緒に別の鍋に入れ、中火にかけます。この時も、肉の表面にペーパータオルをかけます。沸騰直前になったら、再び弱火にして、やはり煮汁の表面が揺れないぐらいの状態で1時間ほど煮込みます。  小松菜などの青み野菜もゆでて、煮汁に加え、さっと温めます。豚肉とともに器に盛り、からしを添えたら出来上がりです。  角煮にはしを入れると、すっと切れるほどの軟らかさ。実際に食べてみると、脂身だけでなく、肉の部分も弾力があり、一体感のある食べ応えでした。盛り付けてから食べるまで少し時間が空いてしまう場合は、ぱさつきを抑えるため、片栗粉でとろみをつけた煮汁を角煮にかけると、表面の乾燥を防げます。  「せっかく時間をかけて作るので、多めに作るのがお勧め」と満園さん。五香粉(ウーシャンフェン)などの香辛料を加えると、味の変化を楽しめます。食べきれない分は、プラスチック容器に入れ、煮汁に浸るようにして冷凍庫で保管しましょう。自然解凍すれば、再びおいしくいただけます。(土門哲雄) 【材料】 豚バラ肉(ブロック) 800g 青み野菜 2分の1袋 からし 適量 ※以下は煮汁 だし汁 600ミリリットル 酒 100ミリリットル 砂糖 大さじ5 濃口しょうゆ 75ミリリットル

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