北海道新幹線の函館駅乗り入れについて可能とした函館市の調査を巡り、JR北海道の綿貫泰之社長は17日の定例記者会見で、「厳しい経営状態から新たな負担はできず、事業主体になり得ない。技術的な検討も必要だ」と述べ、実現性について否定的な見解を示した。
函館駅乗り入れについての調査を進めていた函館市は3月、フル規格新幹線の新函館北斗―函館間(約18キロ)の乗り入れが技術的に可能と結論付け、整備費を173億~181億円と試算。2030年度末に札幌延伸と同時開業を目指すとする結果を公表し、4月3日に大泉潤市長がJR本社や道庁を訪れて内容を報告した。
綿貫社長は「整備新幹線計画で、函館市の要望を受けてはこだてライナーを整備するなどし、この問題は決着している」と強調。調査結果で車両費などが触れられていない点を挙げ、「新たな車両にするのか、今の車両を改造するのか。東京から札幌までの時間が長くなるという問題もある」と述べた。【今井美津子】
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