記者会見した原告代理人の生越照幸弁護士(左)と佃祐世弁護士=札幌市中央区で2024年7月5日午後2時17分、伊藤遥撮影

 札幌市の中学1年の女子生徒(当時12歳)が2021年10月にいじめ自殺した問題で、生徒の両親は5日、小学校時代の教員が適切な対応を怠ったとして、同市に約6500万円の損害賠償を求める訴えを札幌地裁に起こした。

 訴状によると、生徒は小学5年生の頃から2年以上にわたり、同級生らから精神的・身体的いじめを受けた。小学5、6年時にいじめアンケートで被害を訴えたが、当時の担任教諭と教務主任は事実確認をせず放置。小6の時の自殺未遂後も生徒の心理的ケアや教員間の情報共有、進学先の中学校への引き継ぎを怠り、生徒の不信感や絶望感を増大させた。生徒はうつ状態を悪化させ、自殺に至ったとしている。

 提訴後、札幌市内で会見した原告代理人の生越照幸弁護士は「子どもが真剣にSOSを出しているのに教師が受け止めなかった。教師が受け止められない一因が業務の忙しさや人手不足ならば、手当てすべきだ」と訴えた。

 両親は同日、「元担任を含め、学校の先生方や札幌市教育委員会には、娘を死に追い込んだ責任を自覚し、償ってほしい」などとするコメントを発表。札幌市は「訴状が届いたら内容を確認して対応を検討したい」とのコメントを出した。【伊藤遥、後藤佳怜】

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