新潟市でバスケットボールやライブを楽しめるアリーナの建設に向けた動きが出ている。新潟市議会の議員連盟が有識者を招いた勉強会を開き、その可能性について検討した。成功のカギは魅力的なバスケットボールチームと市民が利用しやすい立地。その一方で、課題も見えている。
新潟市にアリーナ建設の動き
新潟市で開かれた新潟市議会のスポーツ振興議員連盟主催の新潟アリーナ構想勉強会。
勉強会では、バスケットボールBリーグの興行を手がける企業が登壇し、アリーナ建設を地域活性化につなげた国内や海外の成功事例などについて説明した。
この記事の画像(8枚)パワーボイスの関篤CEOは「都市の規模や特性を生かし、行政の取り組みとマッチしたアリーナを持つことで住み続けたいと思えるまちづくりにつながるように、このアリーナをぜひ生かしていただきたい」と訴えた。
アリーナ建設の成功のカギに挙げたのは「魅力的な地元バスケットボールチームの育成」と「市民が利用しやすい立地」の2点だ。
“アルビBB”再浮上が大きなカギに
市民が利用しやすい立地として、新潟市出身の関CEOは中心市街地活性化に向け、新潟市の都心軸「にいがた2km」でのアリーナの建設を提言した。
魅力的な地元バスケットボールチームとしては、長岡市を本拠地として活動する新潟アルビレックスBBがある。
日本初のプロバスケットボールチームとして2000年に誕生したアルビBB。2019年には中地区優勝を果たすなど、Bリーグの盛り上がりの中心にいた。
また、高校バスケでは開志国際と帝京長岡が全国トップレベルで活躍するなど、新潟はバスケ熱の高い場所でもある。
しかし、ここ数年、アルビBBの成績が低迷。2季連続で降格し、今季はB3で戦うこととなり、来場者数も減少傾向にある。
アルビBBはチームを立て直すため、元日本代表で上越市出身の五十嵐圭選手を獲得。五十嵐選手は「クラブを立て直す」と意気込み、チームの再生に乗り出している。
Bリーグも入場者数が右肩上がりで、B1の琉球ゴールデンキングスは平均7700人を超える入場者数を記録。
新潟アリーナの成功にはアルビBBのチーム再浮上が大きなカギと言える。
アリーナ建設費用は200億円以上か
また、ライブでの活用を見据え、1万人規模のアリーナを建設する場合、建設費用は200億円以上と試算されるなど課題もある。
こうした中、新潟市議からは古町地区の活用についてなど活発な意見が聞かれた。
勉強会に参加した市議からは「市街地がすごく大事だと思っている。車社会の新潟にあっても公共交通を使ってアリーナに行ける、そんな新潟をつくっていかなければいけないというのは皆さん理解してもらえたのではないか」「もちろん郊外型も考えたい立場ではあるが、まずは市街地というご指摘をいただいたと思っている」などの声が聞かれた。
石川県や福井県など北陸各県でアリーナの建設が構想される中、関CEOは日本海側最大の都市・新潟のポテンシャルを生かしてほしいと強調する。
「新潟には長い歴史を持つ新潟アルビレックスBBがある。そこがこのまま終わるとは思えない。新潟の街をもう一回、活性化するための最高の立地を新潟市の皆様と考えていけたら」
新潟市内のスポーツ施設の老朽化が進んでいる中、新潟アリーナは実現するのか…今後の動向に注目だ。
(NST新潟総合テレビ)
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