教員不足の状況について文部科学省が全国の教育委員会に行った調査で、2024年4月の時点で去年と比べ「悪化した」と答えた教育委員会が3割に上ったことがFNNの取材で明らかになった。深刻な教員不足が依然として続いている。
文科省は2024年4月、全国の都道府県と政令指定都市など68の自治体の教育委員会を対象に、前の年と比べ、公立の小中高校と特別支援学校の教員不足の状況が改善したかについて調査した。
その結果、半数の教育委員会が教員不足の状況が「前の年と同じ程度」と回答し、3割が「状況が悪化した」と回答していたことが分かった。
小中学校では「改善した」と回答した教育委員会が2割以上となり前の年より増えたが、高校については「状況が悪化した」と回答したのが3割以上となる事も分かった。
政府関係者は「小中学校は改善傾向にあるが、教員不足は依然として厳しい状況」としている。
教員の定年は2023年、61歳に引き上げられたが、文科省の調査では多くの教育委員会から「当初の予想より退職希望者が多かった」との声が聞かれたという。
ある自治体では、定年を延長し勤務を続けると見込まれていた教員が数十人規模で退職してしまったケースもあり、教員不足がおきた原因の1つとみられている。
政府関係者は「教員の定年は今後、2年ごとに1歳ずつ引き上げられるので、教員が退職するか定年延長するか正確に把握できていない状態は見過ごせない」と明かしていて、文科省は退職が近い教員の意向をより正確に把握するよう確認の仕方や確認時期についての見直しも含めて全国の自治体に近く通知する方針。
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