9日の島根県東部を中心とした記録的な大雨で、徐々に各地の被害状況が明らかになってきました。出雲市大社町では県道が崩落し、その先に通じる日御碕地区が孤立状態となっています。県などが状況把握にあたっていますが、解消のめどはたっていません。
出雲市大社町…。海岸沿いの道路がえぐり取られるように崩れ落ち、白い車が、間一髪で難を逃れたのかのように道路脇に止まっています。
崩落したのは、出雲市大社町日御碕の県道29号線です。
櫃田優果記者:
道路が崩落したことで(県道29号線は)全面通行止めとなっています。この先にある日御碕地区の住民は孤立しています。
この崩落により車の往来ができなくなり、地区の住民約240世帯、約550人と、地区内にある宿泊施設の利用者など観光客67人が孤立状態となりました。
日御碕地区の住人:
陸の孤島になっていますね。もちろん食料を手に入れることもできないし、色々な生活面で困ってくる。そうした場合、みなさんが大変になってくる、長引けば。
住民の行き来が不可能なため、急遽避難所が開設されました。
櫃田優果記者:
きょう午前8時30分からこちらの施設の会議室が、新たに日御碕地区に帰れない方向けの避難所として開設されました。
自宅に帰れなくなった住民が、別の場所で一夜を過ごした後、こちらの避難所に身を寄せました。
避難している人:
全面通行止めで帰れなくなったので、大社のコミセンのところの体育館で一晩過ごしまして、きょうになってもまだ道路が開通しないので帰れない状況で、いまこちらに来た。
避難している人:
できるだけ早く通れるようにしてもらわないと、こんな状態じゃおられません。
通行止めの区間は、しだいに狭められ崩落現場近くだけとなったため、取材班も現場直前まで近づくことができました。
そして正午過ぎ、立ち往生していた白い乗用車の撤去作業が行われました。
櫃田優果記者:
先ほど立ち往生していた車が撤去され、道路が大きく崩れているのが見てわかります。現在、ドローンなどを使って現場の確認作業が進められています。
現場では、島根県の職員などがドローンなどを使って、崩落の規模など現場の詳細な調査していました。
また島根県は、現場周辺の土地所有者の許可を得て、地区の住人が迂回しながら行き来できるようにし、早速利用が始まっていました。こちらの女性は、息子さんに買い物をお願いしたといいます。
女性:
息子が向こうにおりまして、食料と交換したところです。
息子:
「いま荷物だけ、着替えとかもらって、替わりに買い物したものを渡した。
一方、孤立状態になっていた観光客67人のうち子供を含む11人が、国交省の船舶によって海上から救出され、午後2時半ごろ大社港に引き揚げられれました。
今後の復旧について県などでは、崩落現場周辺は雨で地盤がもろくなっていることから安全面を考慮しながら慎重に作業を行っていくとしています。
島根県出雲県土整備事務所・門田修二さん:
かなり崩壊規模も大きいので、1日も早く通行止めは解除したいけど、なかなか安全な作業も必要ですし、今の段階ではなんとも言えない。
復旧のメドはまだたっていませんが、県などでは住民の安全確保に全力を挙げるとしています。
大雨の影響はJRにも出ています。運転見合わせは、山陰本線の米子~浜田間や木次線の宍道~木次間などで始発から続きましたが、午後以降に順次運転が再開されました。
ただこの影響で、特急列車がやくもやスーパーまつかぜなど、合わせて26本運休となりました。
JRでは10日夜も大雨が見込まれることから、山陰本線の西出雲~益田間の各駅で、午後5時台から7時台発の列車を最終として計画運休しています。
また11日も始発かのら運転見合わせが山陰本線の米子~益田間などで決まっています。
ところで9日の大雨による被害状況は、島根県がまとめた10日8時30分時点で、住宅の床上・床下浸水が松江市で13棟、出雲市で4棟。道路の全面通行止めが出雲市の県道大社日御碕線など累計で19カ所などとなっています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。