学校給食の発祥の地とされる山形県鶴岡市で10日、塩おにぎりと塩ザケなど明治時代の約130年前に子どもたちが食べたメニューを再現した昼食などが500円で限定販売され、用意された計120食を完売した。
鶴岡町(当時)の寺にあった私立小学校で1889年、生活が苦しい家庭の子どもに無償で昼食を提供したのが学校給食の始まりとされる。給食から子どもの未来を考えようと、鶴岡市がJR鶴岡駅前の商業施設で開催した。
明治時代当時のメニューは塩おにぎりと塩ザケに加え、大豆と青菜と煮干しの煮びたしなど。このほか、具材を混ぜた冷やし中華「リャンパンメン」とコッペパン、ナスとトマトのグラタンなど、地元で提供される現在の人気メニューもお目見えした。
昔のメニューを食べた鶴岡市の小林博子さん(42)は「塩やだしの味がほどよくて、栄養バランスもいい」。同市の三浦晴美さん(60)は人気メニューをほおばり、「孫が『好きだ』と教えてくれる献立が食べたかった。おいしい」と満足した様子だった。
ランチの後には、北海道と東北の9市のトップが意見交換する「学校給食サミット」も開催。地元農家が生産した給食用食材を低温倉庫で保管し、地産地消率50~70%を目指す秋田県横手市などの取り組みなどが紹介された。
アドバイザーを務めた山形県立米沢栄養大の北林蒔子教授は、地産地消によって子どもたちが地元の生産者に関心を持つことができる点などを挙げ、「給食は『生きた教材』で、子どもたちの心と体を育む」と指摘。「知恵を出し合って守ってもらいたい」と要望した。【長南里香】
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