9日、千葉県市原市で保育園児の列に軽自動車が突っ込み、園児ら6人が病院に搬送される事故が発生。逮捕されたのは、74歳の女でした。

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警視庁によると、高齢ドライバーによる事故は、コロナ禍に入り一時減少しましたが、2021年以降は増加傾向となっているといいます。

「めざまし8」は、70歳以上の人が免許更新する際に必要な教習所の「高齢者講習」を取材。一歩間違えれば事故につながりかねない、危険なポイントが見えてきました。

「高齢者講習」取材 ヒヤリハット次々と

まず教習車に乗り込んだのは、「高齢者講習」を受けに来た72歳の女性です。

指導員「毎日運転しています?」
女性「ほとんど毎日しています」
女性「これシートベルト?」
指導員「しますよね?必ずしてくださいね、シートベルト」

運転を始め右折した場面で指導員から指摘が入ります。女性は、右折の際に右側の反対車線に進入してしまったのです。

右車線を走行

指導員「日本はどっち側通行ですか?」
女性「右側」
指導員「右側通行!?左側通行でしょ、これ、逆走ですよ、逆走!」

さらに女性は、奥から来ている対向車に気がつかず右折を続けようとする場面も…。

現在、免許を更新するには、70歳から74歳は、座学と実車などを合わせて2時間の高齢者講習を受ける必要があります。

75歳以上は、高齢者講習の前に、記憶力や判断力を測定する認知機能検査で「問題なし」と判断されなければいけません。

75歳男性:
80歳までの間に(免許の)更新だけはつないで、自動運転車になったらボタンを押して乗ることを夢見ています。

81歳男性:
乗らなくていいならそのほうがいいんだけど。高齢ですので、医者へ行ったりしますので、そういうときには(車を)使いますよね。

指導員は、高齢者の運転をどう感じているのでしょうか?

武蔵境自動車教習所 髙橋利明指導員:
運転していても一つのものに集中しがちで、視野が狭くなっている方が多くなっている。そんなに多くはないんですけども、この人、実際運転していたら危ないなっていう人はいますよね。

免許返納は減少傾向

千葉県の教習所で行われた高齢者講習に訪れた、90歳の男性。毎日車に乗っているといいますが、早速、ギアがパーキングのまま発進しようとします。

指導員「ギアね、ドライブに入れてもらわないと、動かないですよ車」
男性「ここか…こっちか?」

発進後、しばらくは順調に運転しているように見えましたが、指導員が「右に曲がって」と告げると、左に行こうとする場面もありました。

指導員「エンジン切るときはニュートラルでいいですか?」
男性「うん、いいです」
指導員「これで切らないよね?エンジン切るときはパーキングでしょ?パーキングにもどさないと。それバックだよ!」

ここまでして、なぜ免許を更新したいのか?90歳の男性にその理由を聞いてみると…。

90歳男性:
米屋、商売やっているから、米積んだり、用事があったりして出かけるとき(車を使う)車がやっぱりなきゃね…。もう3年乗ったら、そろそろしまおう(免許返納しよう)かなと考えている。

免許を返納する否か…、岐路に立っている受講者もいました。

普段の運転には不安はないと話す85歳の女性。しかし、視力検査では全く見えず、円が切れている方向を答えることができません。

運転が始まると、「見ていなかった」と赤信号で交差点に進入。さらに左折時には、進行方向と逆車線に進入、逆走を始めます。

大きく左折したことで、対向車線に

指導員「今これどっち走ってます?」
女性「右!左!」
指導員「逆走してるよ!逆走」

その後も、一時不停止や信号無視など危ないミスが続きます。運転能力が低下し、視野が狭くなっているのでしょうか。

信号を無視してそのまま進もうとする

講習後、女性からは、運転に対する自信がほとんどなくなっていました。

85歳女性:
なんだかめちゃくちゃになっちゃったもんよ。もう返しちゃうかもしれないね。
(Q.免許を返納する?)うん。

免許返納を考える“きっかけ”にもなる高齢者講習。

今、75歳以上の自主返納は、2019年をピークに年々減ってきているといいます。

武蔵境自動車教習所 髙橋利明指導員:
自信を持っていて、自分の運転は安全運転だと事故起こさないと思っている方が、一番危ない。若いときは運動能力ありますけど、それが60、70になってくると、同じようにできないですから。それは車の運転も同じように、できなくなっているのを自覚していただけるといいかなと。
(めざまし8 7月11日放送)

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