奈良公園で、倒れた木に群がる数十頭のシカの大群がカメラに捉えられた。シカが木の葉っぱを平らげたあとには、自然の芸術“ディアライン”が広がっていた。シカは、食欲が旺盛で、森の生態系を崩してしまう可能性もあるという。

倒木に群がるシカ・シカ・シカ!

奈良公園で3日午前6時ごろ、倒木に群がるシカの大群が撮影された。撮影された姿だけでも、少なくとも30頭以上はいる状態だ。

シカたちは脇目も振らず、首を伸ばして一心不乱に葉っぱを食べ続けている。約1時間半後には、ほとんどの葉っぱを平らげてしまった。青々とした木が一転、枯れ木のような状態になった。

木に群がるシカたち(撮影:@igufoto)
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奈良公園では、シカによる、ある「珍しい現象」が起こっていた。

シカの食事が生み出す“ディアライン”

シカが食べた葉っぱを食べる前後で比べてみると、上の部分だけ青々とした葉っぱが残った形になっている。

自然が生んだ景色を楽しめる(撮影:@igufoto)

これは“ディアライン”と呼ばれるもので、奈良公園に生えている木の葉っぱは、シカが届く約2メートルの高さで生えそろっている。本来のディアラインは、木々がたくさんあるにも関わらず、遠くまで見通すことができるのが特徴だ。

遠くがよく見えるディアライン(提供:奈良公園)

この独特な景色を一目見ようと訪れる観光客も多いという。

自然の芸術…一方で生態系への影響も

シカが生み出した自然の芸術“ディアライン”は、良いことばかりではない。シカは食欲が旺盛で口が届く2メートル以下の植物などを食べ尽くし、森の生態系を崩してしまう可能性がある。

食べ過ぎで生態系に影響ががあることも(撮影:@igufoto)

今回の倒木もシカによる食害が原因なのか、奈良公園の担当者に尋ねてみた。今回、倒れた3本の木はシカのせいではなく、木が腐っていたところに大雨が降ったことが原因ではないかという。

倒木のディアラインは、めったに見られない風景で、見られた人は運がいいという。
(「イット!」 7月5日放送より)

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