東京・錦糸町駅のホームで、市松人形の看板がSNSで話題になっている。看板の設置目的は墨田区に聞いても分からず、市松人形職人も知らなかった。その後、JR東日本・千葉支社が地域文化の宣伝のために設置したことが判明した。
誰が設置?「市松人形」の看板
東京・墨田区のJR錦糸町駅のホームでカメラが捉えたのは、大小さまざまにちりばめられた、ジッとこちらを見つめる「市松人形」の看板だ。今、この「市松人形」の看板がSNSで大きな話題となっている。
この記事の画像(12枚)「終電なら泣きそう」「確かに怖い。夜になったら動きだしそう」といった声が上がる一方で、駅の利用客からは「不気味だけど、おもしろいかなって思います」「え~何のためでしょう?何か宣伝ですかね。市松人形の宣伝?」といった声も聞かれた。
JR錦糸町駅がある墨田区は、かつて市松人形を作る職人の家が約200軒あったという、とてもゆかりの深い場所。看板の謎を解き明かすため、墨田区に聞いてみた。
しかし、墨田区は「今は誰が設置したか分かる者がおりません」と、まさかの「分からない」との回答。
そこで、墨田区内では現在3人しかいない市松人形の職人のうちの1人で、優れた技術をもつ職人だけが認定される、市松人形の制作のレジェンド「すみだマイスター」の藤村光環さんに聞いてみた。
市松人形職人・藤村光環さんは「写っているお人形は私が作ったものですけど」と話す。
しかし、「(看板は)私がデザインしたわけでもないので分かりません。もしあれだったら調べてほしいですけど…」と話している。
まさかの制作者本人も、墨田区やJRなどに人形の写真を提供したことは覚えているものの、誰が何のために看板を設置したかについては分からないというのだ。
市松人形の魅力を発信するため
駅を管轄しているJR東日本なら知っているのではと、イット!取材班が一縷の望みをかけて聞いてみた。
JR東日本・千葉支社は「地元の伝統工芸である市松人形の魅力を、広く知ってもらうために設置しました」と話す。
看板を設置していたのは、JR東日本・千葉支社だったのだ。東京スカイツリーの開業に伴い、2013年に駅をリニューアルするとともに、地域の文化を知ってもらいたいと「市松人形」の看板を設置したという。
市松人形職人・藤村光環さんは「目にとめてくれる方がいるとうれしいですね。怖がらせようと思って作っているわけではないので、できればかわいいとか、俺はかわいくないと思うよとか、会話のひとつになればいいんじゃないか」と話している。
(「イット!」 7月5日放送より)
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