三重県松阪市の救急病院で、救急車で運ばれたものの入院しなかった軽症患者に対して、7700円を徴収する取り組みが始まって2024年7月で1カ月となりました。救急車の出動件数は減少したということですが、市は「緊急性がある場合は、ためらわずに呼んで」と話しています。
松阪地区広域消防組合消防本部の総合指令課は、13台の救急車で対応しています。今月9日も多くの通報がありましたが、特に多いのが熱中症の119番通報でした。
急な病気や事故にくわえ、「現実と妄想の区別がつかない」といった通報もありました。
松阪地区では救急車の出動件数が年々増加していて、23年は1万6000件を超え過去最多でした。しかし、救急搬送された約1万5000人のうち、半数以上が入院を必要としない軽症者でした。
松阪地区広域消防組合の松本昌孝救急課長補佐:
遠くの署から出動せざるを得ない状況になり、現場到着時間が遅れ、助かるはずの命が助からない、早期診療ができなくなるといった事案が発生する可能性が危惧されています。
2024年6月から始まったのが「選定療養費」という取り組みです。救急搬送されたものの、基本的に入院に至らず医師が軽症と判断した患者に対しては、病院が7700円を徴収します。
これまでも「松阪市民病院」「松阪中央総合病院」「済生会 松阪総合病院」の救急病院では、初診時にかかりつけ医の紹介状なしで受診した患者に対して徴収していましたが、6月からは、救急車で搬送されたものの軽症だった人にも幅を広げました。
60代の松阪市民:
その時は胸が苦しくなって血圧も上がって、周りの人が救急車を呼んでくれたんですけども、「救急車がないので運べない」と言われて、待機していたことがあった。
取り組みが始まり1カ月が経ちましたが、救急車の出動件数は「減少」したということです。
松阪地区広域消防組合の松本昌孝救急課長補佐:
令和5年6月は1320件であるのに対し、令和6年6月は1031件となり、289件の減少となっています。
松阪市は「この制度が適正受診につながることを期待する」としたうえで、「緊急性がある場合は、ためらわずに救急車を呼んでください」としています。
(東海テレビ)
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