東京都内の皮膚科で問診を受ける20代の女性。
病名は、「帯状疱疹(ほうしん)」です。

帯状疱疹になった20代女性:
最初ピリピリしたような感じで、そのあと、赤くポツポツとなっていた。

帯状疱疹の症状は、帯状に出る赤い発疹と水ぶくれが特徴。
かゆみや、眠れないほどの痛みを生じるケースもあります。

ワクチンはあるものの、接種費用は保険適用外のため、自治体の補助がない地域では数万円にのぼることも。

そうした中、厚労省は帯状疱疹のワクチン接種費用を公費で補助する定期接種に含める方針を決定。

18日、その対象年齢を65歳とする案を示しました。

厚労省が示した資料では、国内での大規模調査で帯状疱疹の発症率は1977年の調査開始以降、24年で1.8倍と増加傾向にあります。

また、その発症リスクは50代から増加し、発症者数は70代が最多となっています。

しかし18日、帯状疱疹で都内の皮膚科を訪れていたのは、20代の女性でした。

女性は「(発疹が)右側の胸下から背中の手前くらいまで(出た)。ビリビリというかピリピリする感じ。(周囲に発症者が)何人かいるので多いかなという印象」と話しています。

東京八丁堀皮膚科・形成外科では、帯状疱疹と診断される患者の年代が幅広くなっているといいます。

望月香奈医師は「季節の変わり目ですとか、疲れがたまりやすい時期に増えてくる。暑くなると免疫落ちるので(若い人にも)増えてきている傾向」と語ります。

帯状疱疹の発症に深く関わっているのが、水ぼうそうのウイルスです。

水ぼうそうが治ったあとも体内に潜伏し続けたウイルスが、ストレスなどをきっかけに活性化し、発症するのです。

その水ぼうそうのウイルスに対抗する免疫力は、年を重ねるにつれ低下します。

しかし、予防接種を受けたり、水ぼうそうにかかった子どもと接することで再び免疫が強くなるブースター効果を得られます。

ところが今、そのブースター効果が減少しているのです。

背景にあるとみられているのが、子どもへの水ぼうそうのワクチン接種です。

大規模な調査を行った宮崎県のデータをみてみると、子どもの水ぼうそうのワクチン接種が努力義務となった2014年を境に、発症数が15分の1に激減しています。

このようなことからブースター効果が得にくくなり、子育て世代の帯状疱疹が増加したと考えられています。

また専門家は、新型コロナウイルスとの関連も指摘します。

東京八丁堀皮膚科・形成外科 望月香奈医師:
(研究段階ですが)新型コロナウイルスに感染した方は、少し免疫が落ちていたりとか、少し神経に傷がついていますので、発症しやすい印象。

厚労省の部会は、ワクチン接種の目的や用いるワクチンについても議論を進めています。

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