関東甲信や東海で、梅雨明けとなった18日。

関西でも奈良市で最高気温36.2度を記録するなど、各地で猛暑日となりました。

【記者リポート】「日差しがかなり強く、少し立っているだけでも汗ばむ暑さです。街の中には携帯型の扇風機を手に持ち暑さ対策をしている人もみられます」

【高校生】「これがないと暑くて耐えられない。デザインもかわいいから持っていたら楽しい」

【観光客の男性】「みんなどこでもつけているもんで、電車でも気兼ねなく使えるというか」

【80代女性】「きょう買ってきました。仕事にぶらさげていく。必需品ですね。夏の」

■充電式の携帯扇風機は強い衝撃が加わると発火や爆発の恐れ

今や夏のお供になった携帯扇風機ですが、トラブルも…

充電式の携帯扇風機は、落とすなどして強い衝撃が加わると、発火や爆発の恐れがあります。

実際に発火した扇風機を見せてもらうと…中に入っていたのは焼けたリチウムイオン電池です。

リチウムイオン電池には円筒型や板状のものがあり、スマートフォンやモバイルバッテリーにも使われていますが…

【nite・製品安全広報課・山崎卓矢さん】「携帯用扇風機内臓のリチウムイオン電池は衝撃や熱に弱い特性があります。ひとたび不具合があって火災事故を起こすと、なかには家を全焼する事故も発生していますので」

なぜ、衝撃や熱が加わると発火してしまうのか。

■リチウムイオン電池に衝撃を与えると…

今回、特別にnite=製品評価技術基盤機構の協力のもとで実験を行うことに。

用意したリチウムイオン電池に、釘で衝撃を与えてみます。

くぎ音釘をたたいて少し動かすと煙が…

【記者】「あぁすごい」

煙が充満し、発火。

■電池の内部では何が起きているのか

電池の内部で何が起きていたのかというと…

【nite・製品安全広報課・山崎卓矢さん】「通常はプラス極とマイナス極が接触しないようにセパレーター(絶縁フィルム)が間に挟まっています。何度も強い衝撃を加えてしまうとまれにセパレーターが壊れてしまってプラスとマイナス極が近づいて接触してしまう。ショートを起こしてしまう」

【nite・製品安全広報課・山崎卓矢さん】「構造上、灯油と同じレベルの可燃性の電解液が必ず入っていますので、熱が伝わってしまうと可燃物なので火がついてしまう」

■車内で長時間放置し、発火するケースも

衝撃だけではなく、屋外で高温のまま長時間置いたり、不具合があるのに充電したりして、熱が電池に過剰に加わるとショートして発火する恐れもあります。

niteが今月公表した集計では、携帯扇風機が発火するなどした事故は、2019年度からの5年間で51件発生。

使用状況がわかる事故のうち、およそ8割が、充電している時に起きています。

■就寝中に発火することも

インターネットで携帯扇風機を購入したという30代のAさんは去年、寝ている間に充電していたところ…

【Aさん】「フライパンとかを加熱しすぎた時にするようなにおいがして、それで目が覚めて。煙が出たりとか周辺のものも溶けてしまった。さすがに就寝中だったのもあって怖いなと。もしこれが肌に触れていたら軽いやけどじゃすまないだろうな」

発火した携帯扇風機。事前に不具合も見つかっていました。

【Aさん】「発火が起きる前にバッテリーの充電がかなりできなくなってきていて、これが本当に安全なのか不安で今は使用していない」

niteは、異変に気がつきにくい就寝中の充電を避けるよう呼びかけるとともに、「異常があれば使用を中止し、メーカーなどに相談してほしい」としています。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年7月18日放送)

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