警察庁や千葉県警によると、全国の警察が把握した自動車盗の被害は2021年から2年連続で増加している。23年は5762件で、今年は5月末時点で2515件あった。

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 このうち、昨年は千葉県内の被害が746件と2年ぶりに全国ワーストだった。今年も5月末時点で、すでに前年より56件多い334件(暫定値)に上る。月決めや自宅駐車場での被害が多いが、成田空港では6月以降、空港近くにある、海外旅行客ら空港利用者向けの民間駐車場から何台もの車が盗まれる被害が複数確認されている。

 自動車盗被害の約8割が施錠時で、システムに侵入し、ロックを解除してエンジンを始動させる「CANインベーダー」や、スマートキーの電波を傍受して解錠する「リレーアタック」などが使われる。

 防犯カメラやGPSが捜査の手がかりになるが、GPSは犯行時に気づかれて壊されるケースも多いという。県警の捜査幹部は「紛失後も位置情報を把握できるグッズや後付けのGPSが有効だ」と話す。

 同空港の旅客数は昨年度、コロナ禍以降で初めて3千万人を超えた。今年5月の旅客数は325万人で前年同期比27%増。外国人の旅客数も過去最高の1789万人(前年度比2・7倍)だった。長期利用を見込んだ空港周辺の駐車場の利用者数も増えているという。(杉江隼)

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