愛媛県の松山城の城山で発生した土砂崩れを、京都大学の専門家がコンピュータ解析した結果、土砂は崩れ始めてからわずか25秒後にふもとの住宅まで押し寄せていたことが22日までに分かりました。

土砂崩れを解析したのは、砂防工学が専門の京都大学防災研究所の竹林洋史准教授。
松山城の城山北側の地区を襲った土砂崩れについて、現場の動画データや城山の地形などに基づきコンピューター上で土砂の流れを再現しました。

竹林洋史准教授:
「宅地に『泥流』が到達するまでの時間も、比較的短くて25秒となっております」

解析の結果によりますと、崩落した土砂は谷筋に沿って大量に流れ落ち、わずか25秒後にふもとの住宅地に到達。約3メートルの高さで押し寄せたと考えられるということです。さらに…

竹林准教授:
「熱海の泥流、それよりもまだ速いスピードがあったということですね」

城山の土砂が流れた速さは解析で時速36キロ。2021年に静岡県熱海市で起きた大規模な土石流は時速30キロで、熱海のケースより速かったということです。

この要因は城山の土砂の粒が小さく水を含む」「泥流」だったことなどから速度が増したと分析しています。

竹林准教授:
「時速36キロというのは秒速で10メートルなんです。つまり100メートル10秒ということなんですね。その泥流から走って逃げるというのはほぼほぼ不可能なぐらいのスピードではあるということです。もし土石流センサーなどをつけていて、山が崩れたと分かった時点で避難しようと思っても、25秒なのでなかなか避難できなかっただろうと思います」

今回土砂が流れ落ちた谷筋は、周りの急傾斜地に比べ斜面が緩やかになっているため
、土砂災害の特別警戒区域や警戒区域に指定されていませんでした。

竹林准教授は「土砂災害警戒区域」の設定の仕方について、土砂の流れの特性に応じて決定する方法を今後検討していく必要があると話しています。

県は22日に会見を開き、国や県、市の専門家とともに立ち上げた対策技術検討委員会の初会合を7月29日に開くと発表しました。

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