JR東海は22日午後8時過ぎから東京都内で記者会見し、川越洋・施設部長らが「本日は始発より多くの列車の遅延を発生させ、おわび申し上げる。夏休みが始まった時期に、予定された旅行などに大変なご迷惑を与えた」と陳謝した。
同社は復旧作業が夕方にも完了する見通しを示していたが、作業は大幅にずれ込み、同日中の全面的な運行再開は断念した。23日は朝から全線での運行を予定しているが「本数や頻度は検討する」と述べるにとどめた。
会見では、復旧作業に予想以上の長い時間を要した理由について、衝突した保守用車両が大きく破損して油漏れを起こしていたことや、脱線の影響で周辺の設備も損傷し、枕木などの交換も必要になったことを挙げた。
説明によると、自走できなくなった保守用車両を台車に載せて運搬する際、床下に損傷が見つかった。安全性を確認しながら走るため、見込んでいた半分程度の速度しか出せなかったという。これが作業を大きく遅らせ、午後7時ごろを予定した作業完了時刻が2時間以上ずれ込んだ。
担当者は「保守用車両の壊れ方がひどく、もう一度脱線すると大変なので、慎重に収容作業を行った。それで時間がかかった」と述べた。会見では事故原因や復旧の見通しなどについて報道陣から質問が相次いだが、「確認中」「推定している」などの回答を繰り返した。【春増翔太、深津誠】
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