滋賀県長浜市教委は2学期から児童・生徒が平日に学校を休み、保護者と共に学校以外の場所で体験活動をする「ラーケーションの日」と呼ばれる制度を市内の小中、義務教育学校計35校で導入する。2023年に愛知県で始まった制度で、市教委は「県内での導入は初だろう」という。保護者の休日に合わせて子どもも休むことで、一緒に活動する時間を増やし、保護者に子どもの学びについてより深い関心を持ってもらう狙いがある。
ラーケーションとは、ラーニング(学習)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語。校外での自主活動として位置付けられており、登校しなくても「欠席」にならない。同市教委の制度では、年に3日まで取得することができる(24年度は2学期から実施するため年2回まで)。土日や祝日に組み合わせて取得することも可能だ。
ラーケーションに想定されているのは、絵を描くための旅行▽農作物の収穫体験▽生物や植物観察▽地域の史跡や博物館巡り▽スポーツや芸術鑑賞など。子どもが保護者と一緒に体験や探究するさまざまな活動で、学びにつながるものなら自由な発想で企画できる。
利用には、連絡網「きずなネット」で学校に伝えた上、学ぶ場所や内容などを記した「ラーケーションカード」を提出する。前日に届け出ることも可能だが、学校との調整やしっかりとした計画を立てて学習活動を行うために原則1週間前までの届け出を求めている。体験後、できるだけ速やかにラーケーションカードに簡単な報告を書き、再度提出する。
給食は病欠と同じ扱いとなり、欠席した授業の内容は後日家庭で自習する。各学期始めの1週間や定期テスト時など取得不可となっている日もあり、学校ごとに決められている。
ラーケーションについては、保護者が平日に休めないため一度も子どもが利用できないケースや休んだ分の学習のフォローを家庭で行うことが難しいなどの問題が想定され、現状、県教委では導入を見送っている。
同市教委教育指導課では「各学校と連携を取って、保護者の意見や制度の取得状況、体験内容などを把握し、今後必要があれば制度を修正していく」としている。【長谷川隆広】
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