北海道・知床半島の羅臼町で23日、今シーズンの天然コンブ漁が始まった。

 同町の沿岸に生育する「羅臼昆布」は、オニコンブという種類。濃厚なだしがとれる高級品で、「コンブの王様」とも呼ばれる。

 午前7時半、漁の開始を告げる白旗が海辺に掲げられると、小舟に乗って集まった漁業者たちが一斉にコンブを採り始めた。

 箱メガネで海底をのぞき込みながら、先が二股に分かれた「まっか」という棒状の漁具で、海底のコンブをねじり取る。

 フォークでパスタを絡め取る動作に似ているが、海中で大きく育った2年もののコンブはずっしりと重い。船の上へ引き上げるのは、腰に負担のかかる重労働だ。

 漁は20日からの予定だったが、天候不順などで出漁の延期が続いた。この日は好天に恵まれ、海面は湖のように穏やか。褐色でつやのあるコンブが舟の上に次々と積み上げられ、明るい日差しを浴びて輝いていた。

 羅臼漁協の井田一昭・羅臼天然昆布部会長(71)は「今年のコンブは厚みがあって、去年よりも質が良い」と話す。天然羅臼昆布の漁期は、9月10日まで。(山本智之)

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