LiveNewsあきたで毎週火曜日に放送している「アウトドアで防災を考える」。今回は「災害ボランティア」を取り上げる。

自然災害が発生し自宅が被害を受けると、被害が大きくなればなるほど元通りの生活を取り戻すのに時間と労力がかかる。そんな時に力を貸してくれるのが「災害ボランティア」だ。

2023年7月に秋田県内を襲った記録的な大雨。浸水などの住宅被害は7000棟を超えた。秋田市は中心市街地のほか、多くの住宅に水が入り込み、住民が使えなくなった家具を運び出したり、家に入り込んだ泥をかき出したりしていた。

被害が大きくなればなるほど、元通りの生活を取り戻すには時間と労力がかかる。力を貸してくれるのが「災害ボランティア」だ。

日本赤十字秋田看護大・短大の「防災ボランティアステーション」は、災害時に支援活動などにあたる団体の一つ。代表を務める及川真一さんは、支援を受けるには、市町村の社会福祉協議会が立ち上げる災害ボランティアセンターに相談するよう呼びかける。

 日赤秋田短大・及川真一さん:
「被害に遭った人は『自分で頑張ろう』という気持ちが強い人もいる。自分の家は被害が少ない、向かいの家のほうが被害が大きいから頼みづらいという人もいた。災害の大きさ・被害の差もあると思うが、自分で無理に頑張ってしまうとその後がかなり長いので、負担が体に影響をもたらしてくる。本当に気軽に災害ボランティアセンターなどに相談したほうが良いと思う」

2023年7月の大雨の際は、県の内外から延べ1万526人の災害ボランティアが駆け付け、住宅の片付け作業などにあたった。及川さんなどボランティアステーションのメンバーも約3カ月間活動した。

 日赤秋田短大・及川真一さん:
「災害ボランティアセンターの運営サポートやニーズ調査、家財道具出しや泥かきなどを行った。まずはニーズを拾わないと、どこにどんな手伝いが必要かが見えてこないので、1軒1軒訪ねてニーズを確認する。そのあとにそのニーズを地域ごとに分けて、お願いされている家財道具出しでは人数が何人いるのか、道具は何を持っていけば良いのかという調整も必要になってくる」

ニーズは刻一刻と変わるもの。身の回りの状況や困っていること、自分や地域の状況を具体的に伝えることで早い生活再建につながるが、ここで課題となるのは「支援する側」が準備を整えることだ。

 日赤秋田短大・及川真一さん:
「平時と災害時で何が異なるかというと、一つは装備品。非日常の中でのボランティア活動になるので、そこは自己完結。平時より装備品が必要になる。それが逆に『難しいのではないか』というイメージを持つ人が多いと思うが、初めての人でも災害ボランティアはできる。重い荷物を持つのが苦手という人でも、その人にできることは必ずある」

災害ボランティアの活動内容は様々だ。家具の運び出しなどのいわゆる「力仕事」をはじめ、ボランティアセンターの受け付け、駐車場の誘導など「自分ができること」を担当する。

ただし、活動においてはけがなどのリスクが隣り合わせのため、及川さんは「ボランティア保険」への加入を忘れないよう呼びかける。各ボランティアセンターで活動当日に加入することができるが、インターネットなどを通じて事前に手続きをしておくとスムーズに活動を始められる。

 日赤秋田短大・及川真一さん:
「人数が多ければ多いほど、被害に遭った地域の復興のスピードは上がっていく。できるだけ災害ボランティアを難しく考えず、知ること、募金することなど、できることはたくさんあると思う。それも僕は災害ボランティアだと思っているので、ぜひとも災害が起きた時には被災地のことを、自分がやれることはないかと考えるだけでも十分だと思う」

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