Q 夏本番。店頭には夏野菜が並んでいます。おいしい野菜の見分け方や、手軽なお薦めレシピを教えてください。 A 「ツヤとハリ」に注目

夏野菜について教えてくれた吉野さん(右)と高橋さん

 野菜のプロに話を聞こうと、東京・豊洲市場で青果卸を担う「東京シティ青果」(江東区)を訪ねました。  一口に夏野菜と言ってもさまざまですが、見極め方にはこつがあるそうです。同社の吉野智子さん(44)によると、ナスやピーマンなど多くの野菜で重視しているのは「ツヤとハリ」。手にした際に弾力を感じるものがお薦めだといいます。  一方、キュウリは「皮がボコボコしている方が歯ごたえが良いです」。トマトは「お尻の星の形がはっきりしたものが良い」とよく言われますが、これは総合的なおいしさよりも甘みに着目した目安だそうです。  枝豆などの豆類やトウモロコシは、それぞれの形や色よりも、「一分一秒でも早く食べることが大事。その日のうちに食べないときは、すぐにゆでるだけでもしておいた方がいい」とアドバイスします。収穫から時間がたつほど糖分や水分が抜け、うまみが減ってしまうためだといいます。  「硬めにゆでて冷凍すれば、翌日以降もおいしく食べられます」と吉野さん。枝豆の仕入れ担当も務めた高橋つかささん(26)は「ゆですぎず、さやが開ききる前にお湯から引き上げるのがポイント」と教えてくれました。

皮ごと生で食べられる「コリンキー」

 吉野さんたちイチオシの野菜は、生で皮ごと食べられるカボチャ「コリンキー」。硬そうな見た目とは異なり、キュウリをやや硬くした食感で、『ぱりぽり』とした歯ごたえが特徴的。塩をつけて味わったり、浅漬けにしたりするのもお勧めだそうです。  みずみずしい夏野菜は生でも加熱調理しても、おいしく味わえます。ただ、夏場はキッチンに長時間立ち続け、火を使って料理するのは大変と感じることも。そこで、夏野菜のお手軽レシピを聞きました。  吉野さんたちは「レタスに火を通す食べ方がお勧め」といいます。例えば、レタスと千切りにした新ショウガ、溶き卵を、顆粒(かりゅう)の中華だしで味付けしたスープ。暑さで食欲がない時も食べやすく、春雨やマカロニ、そうめんを入れるなどしてアレンジできます。  さらに手軽なのが、レタスをしゃぶしゃぶの要領でお湯にくぐらせ、オリーブオイルとオイスターソースをあえていただく方法。高橋さんは「塩昆布をあえたキャベツはいくらでも食べられるので『無限キャベツ』と呼ばれますが、こちらは、あっという間に食べきってしまう『瞬間消滅レタス』」と言います。  「レタスを生で1玉食べきるのは大変でも、火を通せば簡単に食べられます」と吉野さん。「安く手に入る旬の野菜で栄養をとり、暑い夏を乗り切ってほしい」と話しています。 (高田みのり)

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