25日に3つの河川が氾濫した秋田県由利本荘市では、26日も警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」が出されたままだ。大雨のピークは過ぎたものの、被害の状況が次々と明らかになっている。

降り始めから26日午前10時までの雨量は、由利本荘市東由利が275ミリ、北秋田市が271ミリ、湯沢市で246ミリなどとなっている。

25日に氾濫した由利本荘市の子吉川は、まだ水位が高い状態が続いている。川を超えた水は、川より低いところにある集落まで流れ込み、道路には泥がたくさん残されている。

一夜明け、住民は片付け作業に追われていた。一時、警戒レベルで最も高いレベル5の「緊急安全確保」が出された由利本荘市森子の明法地区では、住民が水に漬かった畳や家財道具などを住宅から運び出していた。

住民の女性は「30分くらいで一気にあっという間に水が上がって、ただ見ているだけだった」と水が押し寄せてきた当時の様子を語った。

秋田県内ではこれまでに、由利本荘市やにかほ市など4つの市と町で住宅の床上・床下浸水の被害が計42棟確認されている。住民からは、今後の復旧に向けて自治体の素早い対応を求める声が聞かれた。

 明法自治会・木内厚総代:
「自治体の緊急時の対応が遅いと感じた。これからごみ処理などスムーズにやってほしい」

由利本荘市では26日正午現在も、本荘地域の鮎瀬新田地区39世帯113人と鮎瀬本田地区47世帯118人に「緊急安全確保」が出されている。

一方、県北部でも大きな被害が出た。25日夜に記録的短時間大雨情報が発表された北秋田市の阿仁水無地区では、住宅裏手の斜面が崩れ、建物の一部が宙に浮いた状態となっている。

 裏手が崩れた住宅の家主・吉田竹雄さん:
「えらい雨だった。崩落に気づいたのは夜の12時、電気が消えたから。その時に電柱から何から1回で落ちたのだろう。どうしたものか…困った」

県内は26日の夜遅くにかけて大気の非常に不安定な状態が続く見込みで、引き続き土砂災害に厳重な警戒が必要。

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