千葉工業大学(習志野市、伊藤穰一学長)は2025年4月から、工学部に「宇宙・半導体工学科」を新設する。全国の大学でも「半導体」の名称を掲げた学科は極めてまれで先駆的という。
新学科は入学定員110人。これまで学部横断的に取り組んできた「宇宙」分野に加えて、産業界で人材育成が急がれている「半導体」を合わせた、複合領域的な視点による人材育成を目指す。25日までに文部科学省に正式な設置の届け出を済ませた。
同大は時代に合った改編に積極的で、一般選抜志願者数は4年連続で全国2位。これまでも「未来ロボット技術研究センター」を核とした先進的な取り組みなどで、特徴ある大学運営を続けてきた。
「宇宙」についても、09年から「惑星探査研究センター」を設け、宇宙産業に関心が高い学生を養成。今春には学生主導で製作した小型人工衛星が国際宇宙ステーション(ISS)に運ばれた。8月には2回目の打ち上げが米国で予定されている。
これに加えて政府と産業界が一体となって進めている半導体産業からの要請に応える形での新学科の開設となった。半導体は、熊本の台湾積体電路製造(TSMC)が来春、600人以上の新卒採用を計画しているほか、北海道では国内大手を中心とした「ラピダス」による次世代半導体の工場建設が進んでいて、人材供給が求められている。
両分野とも基本的には機械や電気電子、材料、化学などの基礎科目からなるため、既存の教員態勢で対応できるという。
同大の大川茂樹副学長(未来ロボティクス学科教授)は「潜在的に人気がある宇宙と、社会のニーズが高まっている半導体を複合的に学ぶことで、さらに新たな領域に広がる専門家が育つことを期待したい」と語っている。【森忠彦】
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