夏休みに入り、海や川で遊ぶ機会も多くなるこの時季。ただ、気をつけないといけないのが水難事故である。水辺に潜む危険性や対処法を取材した。

2023年夏、全国で568人が水難事故に遭っている

九州北部地方の梅雨明けが発表された7月22日。大分県大分市の田ノ浦ビーチは多くの子供たちでにぎわっていた。
子供たちにとって、海や川での遊びは夏休みの楽しみの1つだが、その一方、毎年夏には全国各地で水難事故が起きている。

大分市の田ノ浦ビーチ
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警察庁によると、2023年夏、全国では568人が水難事故に遭い、このうち中学生以下の子供は全体の約2割にあたる106人だった。
亡くなった子供は16人で大分県内でも1人の命が失われた。

子供の水難事故で亡くなった人が最も多かったのが「川」。16人のうち、半数以上となる10人が亡くなっている。

2023年夏水難事故にあった人

そんな川に潜む危険性を、水難事故での救助方法などを指導する日本赤十字社県支部の梅谷大輔さんに解説してもらった。

浅いと思っていても、急に深くなる場所が…川に潜む危険

日本赤十字社県支部の梅谷大輔さん

「浅瀬でも死亡事故に繋がる可能性があるということは、十分に知っておいてほしい」と梅谷さんは話す。
気をつけないといけないのが水位で、浅いと思って進んでいくと…急に深くなる場所もあり、注意が必要だという。
そして「石の表面にコケがびっしりついているような場所もあって、スルッと踏み込んで足をくじいてそのまま深みに入ってしまう可能性もあるので気をつけてほしい」と浅瀬での注意点を教えてくれた。

助けようと川に入ると一緒に溺れる危険性も…まずは陸から

では、万が一溺れた人がいた場合、どのように対処したらいいのか。
実際に梅谷さんにやってもらった。

助けに行った人も溺れないよう、まずは陸からの救助を試みる。
例えば、つかまれそうなものを投げる。今回はヒモを使用。
ヒモを結んだペットボトルに水を少し入れ、投げると岸から離れた場所まで届けることができ、ヒモを引っ張って救助することができる。

ヒモとペットボトルで陸からの救助を実演

ほかにも、子供にライフジャケットを着用させたり、目を離さないようにするなど周りの大人の備えも大切である。

キーワードは「浮いて待て!」

もしも溺れてしまった場合、キーワードは「浮いて待て」だという。
叫んだり、両手を上げて周囲に助けを求めたりすると、水の中に沈みやすくなってしまう。
一方、手足を広げ仰向けになると呼吸もしやすくなり、長時間浮けて救助される可能性が高くなる。
万が一に備え、「浮いて待て」をお子さんとプールなどで練習しておくのもいいかもしれない。

いよいよ始まった夏休み。楽しいはずの水遊びで事故に遭わないためにも十分に注意を。

キーワードは「浮いて待て」

(テレビ大分)

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