今月25日からの大雨で、遊佐町のサケのふ化施設にも大きな被害があった。組合長が「経験したことがない」と話すほどの水が押し寄せ、2カ月後に訪れるサケの遡上シーズンに向け、不安の中、後片付けに追われている。
遊佐町直世(すぐせ)にあるサケのふ化施設では、そばを流れる牛渡川がはん濫し、4棟あるふ化場全てが大きな被害を受けた。
おととい(27日)施設を訪ねると、ふ化に使う箱が散乱して手がつけられないほどの状態に…。流されて行方がわからなくなってしまったものもあるという。
(箕輪鮭漁業生産組合・佐藤仁組合長)
「今まで経験したことのないような水の量。今回はケタが違った」
組合長の佐藤さんが、はん濫した当時の映像を撮影していた。
(箕輪鮭漁業生産組合・佐藤仁組合長)
「(Q.奥に見えるのがこの施設?)そうです、屋根しか見えなかった。ここですよね、ここまで水が来てだいたい180センチぐらい。今まで多かった時で1メートルぐらいでしたので想像をはるかに超えた」
施設を襲った「想定外」の量の川の水。事務所の中も大きな被害を受けた。
(箕輪鮭漁業生産組合・佐藤仁組合長)
「例えば電話・ファックス・レジ・冷蔵庫・洗濯機・ストーブ含めて全て水没」
被害を予測し畳を高い場所に上げるなどの予防策はとっていたが、あふれた水は想定を超え、貴重な書類なども全て水没し使い物にならなくなった。
シーズン外の今は、施設でサケの飼育はしていなかったが、屋外の飼育用の池には30センチ以上の泥が溜まった。
この日は、組合員が溜まった泥や水草をかき出す作業に追われていた。
片付けに手一杯で施設の被害の全容はまだ把握できておらず、落胆と不安の中での作業が続いている。
(箕輪鮭漁業生産組合・佐藤仁組合長)
「気が遠くなる感じ。もう2カ月するとサケも遡上してくる。それまでに何とか準備を整えていきたい」
今回の豪雨は地域の内水面漁業にも大きな影を落としている。
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