文部科学省は小中学生の近視について調査を行い、若い世代ほど視力の低下が進んでいることが分かった。

文科省は31日、小中学生の近視に関する実態調査結果を発表した。調査は2021年度から始まり、全国の小中学生約5200人の視力が3年間でどう変化したのかを調べた。

2023年度だけの調査では、裸眼の視力が1.0以上の視力が良い児童の割合は、学年が進むにつれ低下していることが分かった。

小学1年生 男子76.10%・女子81.11%
小学2年生 男子79.64%・女子71.22%
小学3年生 男子70.39%・女子65.65%
小学4年生 男子64.44%・女子65.20%
小学5年生 男子64.26%・女子54.55%
小学6年生 男子60.56%・女子50.44%
中学1年生 男子51.09%・女子40.89%
中学2年生 男子43.55%・女子34.24%
中学3年生 男子42.10%・女子37.47%

一方で、視力が0.3未満の子どもは学年が進むにつれて増加している事も分かった。
小学1年生 男子1.06%・女子1.38%
小学2年生 男子2.94%・女子3.90%
小学3年生 男子7.87%・女子7.71%
小学4年生 男子10.67%・女子12.30%
小学5年生 男子12.40%・女子18.18%
小学6年生 男子16.24%・女子21.46%
中学1年生 男子23.91%・女子29.65%
中学2年生 男子26.80%・女子35.60%
中学3年生 男子29.38%、女子35.85%

2021年から2023年までの3年間での変化を見てみると、視力が1.0以上の割合は、2021年には全体で63.93%だったが、2023年には53.15%まで低下した。また視力が0.3未満の割合は、2021年には全体で12.80%だったが、2023年には20.90%まで増加した。

遠くのものがぼやけて見える「近視」について見てみると、小1から小3に成長する過程では、「近視」の定義に当てはまる児童は、小1では12.43%だったが、小3に成長すると35.87%と23.44ポイント増加していた。同様に小2から小4に成長する過程では、近視の割合は23.40%から39.66%と16.26ポイント増加していた。

一方、中1から中3までの成長では7.29ポイントしか増えておらず、小1から小3、及び小2から小4という、若い世代ほど近視になりやすい事がわかった。

また、屋外での活動時間と視力の関係を調べたところ、視力低下や近視を抑えるためには、平日は「休み時間は積極的に屋外で過ごす」事や「学校の授業や休み時間意外では、1日あたり90分以上屋外で過ごす」事が推奨されるという。休日は「1日当たり120分以上屋外で過ごす」事が考えられるとしている。もちろん、熱中症対策などは別途必要だ。

パソコンやタブレットの使用との関連は、家庭や塾など学校以外での1日の平均使用時間が「30分未満」に比べ「120分以上」の方が視力低下との関連が大きいとしている。

学校以外での勉強や読書の時間については「30分未満」に比べ、「90分以上120分未満」と「120分以上」の方が近視を新たに発症する可能性が高いという。

文科省は視力低下や近視の予防のため、長い時間近くを見続けない、本や画面を目から30センチ以上離すことなどを呼びかけている。

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