蛍乃輝の鏡割りでコラボ商品のお披露目を祝う斎藤湧生社長(中央)、前田晋太郎下関市長(右から2人目)、木幡浩福島市長(左から2人目)=福島市荒井の金水晶四季の里で2024年4月17日午前10時40分、錦織祐一撮影

 鯨肉の酒かす漬け、仕込みに下関の名水を使った日本酒――。1895(明治28)年創業で福島市唯一の酒蔵「金水晶酒造」が、山口県下関市の名産とコラボした商品開発に乗り出した。斎藤湧生(わくお)社長(30)は「下関の力を借りた新たな商品で福島の魅力を発信したい」と意気込む。

 商品化されたのは、下関市の鯨肉加工販売会社「東冷」と組んで鯨肉を金水晶の酒かすに漬け込んだ「くじらのごえん」(1200円)、下関で売り出し中の「長州ジビエ」の鹿肉やイノシシ肉と合わせたソーセージ「酒の友ジビエ」(849円)、福島産の酒米で醸造した日本酒の割り水に下関の名水「関露(かんろ)水」を加えた「蛍乃輝(ほたるのかがやき)」(720ミリリットル2000円)。福島市荒井の「金水晶四季の蔵」で販売している。さらにフグを使った商品づくりにも取り組んでいる。

 仲介したのは、下関市出身でNPO法人「伊達応援団」(伊達市)理事長の宮脇彬行(よしゆき)さん(83)。伊達市の子どもたちが東京電力福島第1原発事故の影響を気にせず野外で遊べるようにと夏休みに下関での宿泊体験を企画し、福島の桃を下関で販売する活動もした。その縁で「双方の物産を交流させたい」と前田晋太郎・下関市長に提案し、快諾された。

 17日には金水晶四季の里でお披露目式があり、前田市長と木幡浩・福島市長も参加して蛍乃輝で鏡割りをした。木幡市長は「長州は(戊辰戦争で)宿敵だったが、酒で解け合い、今後の地域づくりのモデルになるのではとうれしく思う」とあいさつ。前田市長も「素晴らしい商品が完成し、このご縁に感謝します」と応えた。【錦織祐一】

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