頼れる身寄りのない高齢者らを対象に、身元保証や死後事務などを担う「高齢者等終身サポート事業」をめぐり、全国の消費生活センターなどに寄せられる相談件数が増加している。国民生活センターによると、2023年度は354件で、この10年で4倍になった。

 一人暮らしの高齢者世帯が増えるなか、こうしたサービスに関心が高まっていることが背景にあるとみられる。

 各地の消費生活センターなどに寄せられた相談件数は、2013年度には85件だったが、21年度は158件、22年度は194件、23年度は354件と、ここ数年で急増している(6月末までの登録分)。

 相談内容は、サービス内容や料金などを理解できていないまま高額の契約をしてしまったなどの「契約時のトラブル」、病院への送迎を「忙しい」などの理由で断られるなど、契約に含まれているはずのサービスの提供がなかった「サービス利用時のトラブル」、解約時に預託金などが返金されないなどの「解約時のトラブル」に大別される。

 そのほか、近年大きく増えているのが、新聞やラジオの広告や電話勧誘を受け、「信用できる事業者か確認したい」「信用できる事業者を紹介してほしい」という相談だ。

 国民生活センターでは、契約前にサービス内容や解約条件などを確認しておくことや、契約している事業者の連絡先などを周囲の人に伝えておいたり、わかりやすいところに掲示しておいたりすることを勧めている。

 トラブルになった場合などの相談は、消費者ホットライン(電話番号188)まで。(石川春菜)

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