世界文化遺産への登録が決まった佐渡島の金山。登録をめぐっては「朝鮮半島出身者の強制労働があった」と主張していた韓国の態度が焦点となっていた。
日本は朝鮮半島出身者の労働に関する資料を展示することを表明したことで、最終的に韓国の同意を得て世界遺産登録に辿り着いた。
歴史めぐり反発した韓国…資料展示で同意へ
世界遺産委員会での佐渡島の金山の審議。
登録決定を受けた日本側のスピーチ後、異例となる他国による発言の時間が設けられた。委員国の一つ、韓国だ。
この記事の画像(4枚)この発言で韓国政府関係者は「全ての歴史には光と影があり、文化遺産はその両面が記憶されるべき」と話した。
佐渡島の金山をめぐっては、韓国が「戦時中に朝鮮半島出身の労働者の強制労働があった」と主張し、戦時中を含めた全体の歴史を表示するよう要求していた。
その後、イコモスも佐渡島の金山についての勧告の中で配慮を求める追加的勧告として、この「全体の歴史」の説明・展示をすることを盛り込んだ。
日本側の対応と韓国との協議が世界遺産登録のカギを握る中…ユネスコ日本政府代表部の加納雄大大使は「朝鮮半島出身者の労働者について勧告を誠実に実行し、佐渡金山の歴史全体を包括的に伝えるための展示や施設の充実に努める」と朝鮮半島出身の労働者についての展示を行うと表明した。
こうした姿勢を受け、韓国も世界遺産登録に同意する結果となった。
朝鮮半島出身労働者に関する展示開始
そして、世界遺産の登録が決まった翌日の7月28日、佐渡市の相川郷土博物館で朝鮮半島出身の労働者に関する展示が始まった。
朝鮮半島出身者について「強制労働」という表現はないものの、総勢で1500人を超えたことや危険な坑内作業にあたる割合が高かったことなど、過酷な環境下に置かれていたことが説明されている。
このほか、佐渡市では鉱山労働者の追悼行事が毎年行われる予定だ。
(NST新潟総合テレビ)
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