特集は「信州の海」の最盛期です。1月の能登半島地震で津波が押し寄せた新潟県上越市の「なおえつ海水浴場」。被害を受けた海の家も復旧し、連日、海水浴客でにぎわっています。
■大きなピンチ乗り越え…
子ども:
「きもちいい!」
海水浴を楽しむ子どもたち。新潟県上越市の「なおえつ海水浴場」です。毎年、長野県から多くの人が訪れることから「信州の海」とも言われています。
この日も晴れて気温が上がる絶好の海水浴日和で、信州から多くの家族連れなどが訪れていました。
小布施町から・子ども:
「(水の中どう?)つめたい!きもちいい!」
小布施町から・父親:
「暑い日も続いていて、涼しいところへと思って海に来ました」
上田市から・子ども:
「海が波きてうれしかった。楽しかった」
上田市から・父親:
「遠くなくて意外と近くていい。貴重な夏休みのいい思い出です」
海水浴客の休憩場所となる海の家も大忙しです。
海の家「飯田屋」・桑原尚二さん:
「天気も良くて(客は)去年並みに入っていると思う。なかなか工事が前に進まなくて、軒数も減ったりでしたけど、ようやくここにきて全店舗そろった」
海水浴場の海の家は、大きなピンチを乗り越え、最盛期を迎えています。
■元日 津波による被害
元日の能登半島地震で発生した津波。
なおえつ海水浴場にも押し寄せ、砂浜に置いてあった7軒の海の家の資材などが流されました。
海の家を営業する組合は、市の協力も得ながら急ピッチで営業準備を進め、7軒のうち5軒が営業にこぎつけました。
海の家「飯田屋」・桑原尚二さん(7月):
「ほっとしていますね、とりあえずは。本当にできないと思っていたので、今年は完全に無理だというか、海水浴場の設営も無理でしょうというところから入ったので」
■ギリギリ間に合った
営業している5軒のうちの1軒、浜茶屋「むつみ」。
この日は喬木村のミニバスチームの15人ほどが利用していました。
喬木村から:
「(たこ焼きが)アツアツで、すごくもっちりしていておいしい」
「(おでんが)ほくほくしていて、おいしい」
「むつみ」は飯山市で建設会社を営む宮嶋辰男さんが25年前から毎年夏の間だけ営んでいます。
1月の津波で置いていた資材の多くが流されましたが、資材を新たに調達するなどして、7月13日の海開きに間に合わせることができました。
浜茶屋「むつみ」・宮嶋辰男さん(7月):
「ギリギリ、100%ではないけど、お客さん入れられるまできたから、ほっとしている」
この先、お盆にかけて団体の予約が入っていて例年通りのにぎわいに期待を寄せています。
浜茶屋「むつみ」・宮嶋辰男さん
「開けた海を見ると気持ちいいと思う。長野の皆さんぜひ、遊びにきてください」
■新たな試みで挽回
お昼時ににぎわっていたのは、海の家「飯田屋」。
建築資材が思うように集まらず、オープンはやや遅れましたが、7月20日から本格的に営業を始めました。
南箕輪村から:
「ちょっとずつでも復興してくれると、僕たちは来たときに助かるので、やってもらえてうれしい」
プライベートな空間で休めるレンタルスペースをもうけるなど、新たな試みも行って挽回しようとしています。
海の家「飯田屋」・桑原尚二さん:
「津波とかいろいろありましたけど、海はいつもと変わらず、穏やかでいますので、ぜひ多くの皆さんに遊びに来てほしい」
災害というピンチを乗り越え、例年通りのにぎやかな夏を迎えています。
一方、信州の海では長野県からの海水浴客による水難が相次いでいます。
8月4日、上越市で、遊泳区域外にいた長野市の男子中学生(13)と女子児童(9)の兄妹が高波にさらわれて沖に流されました。
また、糸魚川市では、岡谷市の30代男性が泥酔状態で海に入り、溺れました。どちらも救助されて無事でした。
上越海上保安署は、「遊泳区域外は消波ブロックがないため波が高くなりやすく入るのは控えること」「遊泳中は子どもから目を離さないこと」「海水浴をする場合は飲酒しないこと」など注意を呼びかけています。ルールやマナーを守って安全に楽しみたいですね。
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