元日に発生した能登半島地震で最大30cm~40cmの津波を観測した新潟県内。60年前の新潟地震でも最大5.4mの津波を観測した。わずか数十センチでも命の危険に迫られるという津波。その威力や危険性を実験装置で体験取材した。
数十センチの津波でも危険!
元日に発生した能登半島地震では、新潟県内で最大30cm~40cmの津波を観測した。
この記事の画像(6枚)「1~2mぐらいだともう皆さん危ないから逃げろとなると思うが、実は意外と危ない大丈夫かなと思うぐらいのところが意外と危ないかもしれない」
数十センチの津波でも危険だと話すのは、津波について研究する中央大学の有川太郎教授だ。
その研究室には、有川教授が開発した実験装置があり、その装置では通路の部分に水を流し、疑似的に津波を再現することができる。
実験装置で30cm~40cmの津波体験
能登半島地震で観測した30cm~40cmの津波の威力を飛田厚史アナウンサーが体験すると、わずか2秒ほどで倒れてしまった。
飛田厚史アナウンサー:
「勢いよくせり上がってくる水を見ているだけでも非常に恐怖を感じる」
有川教授は「理屈上は大体両足に100kg程度の力はかかっているから、一瞬で流されるような感覚になる。例えば東日本大震災でも、本当に数十センチぐらいで流されてる方々が結構いらっしゃる」と話す。
津波の浸水深1mで死者率は100%に
内閣府が分析した浸水の深さに応じた死者率では津波に巻き込まれた場合、30cm以上で死亡者が発生。1mで死者率が100%になるという衝撃のデータが…
さらに、有川教授は津波の危険性についてこう指摘する。
「警報で出ているような数値から倍ぐらいになってもおかしくない。数十センチぐらいとはいえ、すぐに1m・2mになるので非常に危険な状態ということになる」
その言葉を裏付けるように今年4月、有川教授が新潟市の海岸で能登半島地震の津波の調査をした結果、「計算上だと1m~2mの高さまでには津波が上がっていたのではないか」と、新潟市の沿岸には気象庁の観測より高い1m~2mの津波が到達したことが推測されるという。
「やはり津波の注意報が出たら、基本的には海岸線もしくは河川のところから離れていただくということになる」
命を守るためにも数十センチだからと油断せず、すぐに高台に避難することが重要だ。
(NST新潟総合テレビ)
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