Q 毎日暑く、体のだるさがなくなりません。薬膳に興味があるのですが、どんな食事を心がければいいですか。 A 季節の野菜で体冷やす  夏も中盤。季節が変わるまで何とか乗り切りたいものです。薬膳を日常に取り入れやすく紹介している鎌倉薬膳アカデミー(神奈川県鎌倉市)の山内正恵さん(69)に聞きました。  夏に体がだるくなるのは、「暑さと湿気に同時にさらされるからです」。山内さんによると、湿気があると、体内の熱が体外に排出されるのが邪魔されて、だるさや食欲不振、下痢などの症状が現れます。体内の水分を調節している胃が、取り過ぎた水分をさばききれなくなる傾向もあります。湿気は胃腸の蠕動(ぜんどう)運動も停滞させます。  対策に効果のある食材はあるでしょうか。  中医学(中国医学)では、食材をその性質により「寒、涼、平、温、熱」の5段階に分けています。体を冷やす食材は、程度が強い順に「寒」と「涼」に分類されます。中医学に基づいて、体質改善や病後の回復など目的に合うよう考えられた食事のことを薬膳と言います。薬膳では、夏のだるさを解消するには寒や涼の食材を中心にいただくのがいいそうです。  夏は、寒や涼の野菜が豊富にあります。ズッキーニやミョウガ、アスパラガスなどは寒、涼はキュウリ、ナス、トマトなど。肉では豚肉が涼です。  レシピも教わりました。「トマトとハトムギのサラダ」は、体の湿気を取り除くのにぴったりです。効果を発揮する食材がハトムギです。一晩水につけて、30分ほどゆでるか、炊飯器で炊いてもいいそうです。小分けして冷凍で保存できます。

◆トマトとハトムギのサラダ

鎌倉薬膳アカデミー提供

【材料】

トマト 中2個
ズッキーニ 1/2本
ツナ缶 1缶(約70~80g)
ハトムギ 30g
枝豆、パセリ 各適量 (調味料)
塩、砂糖、こしょう、オリーブ油、ワインビネガー、バルサミコ酢  各適量

【作り方】

<1>ハトムギは軟らかくなるまでゆでる。枝豆は熱湯でゆでる。トマトは1cm角に切る。ズッキーニは縦4等分に切り1cm幅に切る。パセリはみじん切りにする <2>フライパンを温め、オリーブ油でズッキーニを炒め、軽く塩、こしょうで味を付ける <3>ボウルに材料を全て加えて混ぜ合わせ、調味料で味を調える  ◇ ◇ ◇  夏が旬のトウモロコシやトウガンも湿気を取り除く食材です。  「薬膳みそディップ」は、暑さを取り除くのに適しています。ミョウガを細かく刻み、調味料と混ぜ合わせます。野菜に付けるとおいしいです。  「季節のものをいただくことが健康の秘訣(ひけつ)」(山内さん)だそうです。(鈴木久美子)

◆薬膳みそディップ

みそ 大さじ1
砂糖 大さじ1弱
酢 大さじ1
煮切り酒 大さじ1/2
すりごま 大さじ3
ミョウガ 2個

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