7年前、岩手県盛岡市の私立高校の女子バレーボール部で、上級生やコーチから暴言を受けるなどした部員2人が不登校となり退学していたことが、8月9日に明らかになりました。
県の調査委員会はいじめの「重大事態」に相当するとしています。

被害を受けた2人の代理人弁護士によりますと、この問題は盛岡誠桜高校の女子バレーボール部で起きました。

このバレー部では2017年6月下旬、当時1年生だった部員2人が上級生やコーチから「死ね」「消えろ」などの暴言を受け、その後心身に不調をきたし不登校となって最終的に退学しました。

盛岡誠桜高校は被害部員の訴えを受け学校調査組織を設置しましたが、いじめ重大事態の認定には至りませんでした。

被害を受けた部員と保護者は「十分な調査が尽くされていない」として、2019年県に対し再調査を請求。

これを受けて県はいじめ再調査委員会を設置していましたが、8月9日はその委員会が調査結果を県に答申しました。

調査の報告書では上級生やコーチからの暴言や無視といった複数のいじめがあったとし重大事態と認定。

学校に対し「勝利至上主義」の風土の見直しや、いじめ対応の体制の充実を求めました。

また9日は被害者家族からの「学校の対応がずさんだった」などとする意見書も県に提出されました。

県いじめ再調査委員会 堺野直樹委員長
「(被害者の)傷をみんなでシェアして、これからどうすればいいかということについて、全員で考えていくきっかけにこの答申がなってくれれば」

県ふるさと振興部 村上宏治部長
「全ての教育関係者が今回の事案の中身を共有し、再発することのないよう取り組んでいきたい」

答申の後には被害を受けた部員の代理人弁護士が記者会見し、盛岡誠桜高校が学校側の調査記録を廃棄したなどとして、その対応を批判しました。

被害者の代理人 草場裕之弁護士
「教育機関がこのようなことを堂々とやっていることに強い怒りを覚える。県の方から強い指導がされるべきだ」

盛岡誠桜高校は9日、岩手めんこいテレビの取材に対し「担当者が不在のためコメントできない」としています。

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