今や生活に欠かせないエアコン。外出から帰ってきた際は、少しでも早く冷たい部屋でくつろぎたい!と急いでリモコンに手を伸ばすだろう。
しかし、実はその行動は、エアコンに負担をかけてしまっているかもしれないという。
ダイキン工業株式会社が公式サイト内で紹介しているのは、「夏場の換気の方法」に関するポイント。ダイキンによると、夏場の帰宅時にエアコンを効率よく使うためにはまず窓を開け、換気をしてからエアコンの冷房を入れるのが正解だという。
夏場にエアコンをつけずに部屋を閉め切っていると、室内には外の気温よりも暑い空気がこもってしまうことも多い。
エアコンは室内の「熱」を屋外に出すことで部屋の中を涼しくする仕組みだが、この
「運び出す熱の量」が多いほど電力を使う。つまり、室温が高いほどエアコンの負担は増え、かつその分電気代もかかってしまうことになるのだ。
帰宅時に換気をすることは、この「室内にこもった熱」を減らすことが目的。エアコンが運び出す熱の量を意識することで余計な負担をかけず“効率的にエアコンを使う”ことができ、節電効果も期待できるのだという。
また、コロナ対策などで定期的に窓を開けて換気をしているという人の場合、エアコンをつけている最中に換気する場合は「エアコンから離れた場所の窓を開ける」のが良いそう。
外から入ってくる熱い空気をエアコンが直接吸い込むとエアコンに負荷がかかり、電気代が上がる原因になったり、エアコンの吹き出し口などに結露が発生してしまう原因になるというのだ。
言われてみれば、まず部屋にこもった暑い空気を逃がしてから冷房を入れる、というのは感覚的にも理にかなっているだろう。
しかし、エアコンには例えば「ドライモード」などの機能もついている。窓を開けておくとうっかり虫が入ってしまったりすることも多い夏、「まずドライモードで湿度を下げてから冷房に切り替える」などするのではいけないのだろうか?
その他にも、エアコンに負担をかけず、なるべく早く部屋を冷やすエアコンの使い方があれば、ぜひ知りたい。ダイキンの担当者に話を聞いた。
扇風機やサーキュレーターの活用も
――「ドライ」を使って湿度を下げてから「冷房」にするのは、効果があるの?
「ドライ運転」や「除湿運転」は、主に湿度を下げることを目的とした運転ですので、やはり室温を効率的に下げる場合には(換気して熱い空気を逃がしてからの)「冷房運転」がおすすめです。
――他に「部屋を効率的に冷やす」ためにできることは?
冷房運転時に、扇風機などを使って早くお部屋に涼しい空気を循環させるのも工夫のひとつです。
エアコンから離れたところが涼しくなりづらい時は、エアコンの設定温度を下げて対応すると、エアコンの近くは必要以上に涼しくなり、その分、消費電力も増加します。エアコンから離れたところまで効率的に涼しくしたい場合には、扇風機やサーキュレーターを使って、エアコンから吹き出した空気を届けるという工夫ができます。
さらに、部屋が冷えるまではエアコンの風量を「自動」にするのがおすすめだそう。
電気代を気にして「エアコンは微風や弱風にすると決めている」人もいるかもしれないが、「自動」に設定することで「部屋が冷えるまでは強風で、その後は微風」といったような調整をエアコン自体がするため、最も効率よく快適に部屋を冷やすことができるという。
また電気代も、微風・弱風を使うと暑くなった部屋が冷えるまでの時間が長くなり、結果的に余分な電力を使ってしまい、節電につながらないそうだ。エアコンに負担をかけずなるべく短い時間で部屋を冷やしたい今の時期に実践してほしい。
まだまだ続く暑さの中、熱中症予防の視点からも、暑い部屋で我慢する時間は短くしたいもの。しかし、エアコンに負担をかけ続けては、肝心な時に故障してしまうなんてことも起こりうる。夏を安心・安全に乗り切るため、「換気×冷房」をうまく使いこなしてほしい。
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