香川県教育委員会は全国に先駆けて、教員のキャリア形成を支援する新システムを導入した。教員が自分の資質能力を客観的に把握し、校長との1対1の対話を通して自ら求める「教師像」を実現することが狙いだ。
導入したのは「教師のキャリアプランニング支援システム」。各教員が、貸与されているパソコンで利用する。香川大学が文部科学省の委託を受け、県教育センターと連携しながら、IT関連会社「Kakeai」(東京都)の技術協力を得て開発した。
システムには、資質能力に関して33の設問がある。「保護者と地域との積極的なかかわり」「ICT活用指導力」「子どもの成長への多角的な支援」などがあり、それぞれに「とてもできている」「まったくできていない」など6段階で自己評価する。それらが「子ども理解」「使命感・責任感」「学校づくり」「自己研鑽(けんさん)」など9指標に分けられてグラフ化される。
さらに、向上させたい指標をチェックし、「今後担いたい職名・職務」を一覧の中から選ぶ。将来のキャリア形成について自由に考えを記載できる欄もある。
これらの情報は校長も共有し、1対1での面談で役立てる。オンラインの面談にも対応している。文科省の全国教員研修システムとも連動している。
県教委によると、これまで教員と校長との面談は年1、2回程度で、教員の自己申告を基に行っていた。淀谷圭三郎・県教育長は「教員は学び続ける必要があり、新システムはそれをサポートする強力なツール。学校内に対話しやすい環境が生まれ、教育力を一層高めることができる」と期待している。
新システムは8月下旬にも、希望する学校で活用が始まる。【佐々木雅彦】
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