教員のキャリア形成を支援する新システム導入を発表する香川県教委の淀谷圭三郎教育長(中央)ら=高松市で2024年7月3日午前11時2分、佐々木雅彦撮影

 香川県教育委員会は全国に先駆けて、教員のキャリア形成を支援する新システムを導入した。教員が自分の資質能力を客観的に把握し、校長との1対1の対話を通して自ら求める「教師像」を実現することが狙いだ。

 導入したのは「教師のキャリアプランニング支援システム」。各教員が、貸与されているパソコンで利用する。香川大学が文部科学省の委託を受け、県教育センターと連携しながら、IT関連会社「Kakeai」(東京都)の技術協力を得て開発した。

 システムには、資質能力に関して33の設問がある。「保護者と地域との積極的なかかわり」「ICT活用指導力」「子どもの成長への多角的な支援」などがあり、それぞれに「とてもできている」「まったくできていない」など6段階で自己評価する。それらが「子ども理解」「使命感・責任感」「学校づくり」「自己研鑽(けんさん)」など9指標に分けられてグラフ化される。

 さらに、向上させたい指標をチェックし、「今後担いたい職名・職務」を一覧の中から選ぶ。将来のキャリア形成について自由に考えを記載できる欄もある。

 これらの情報は校長も共有し、1対1での面談で役立てる。オンラインの面談にも対応している。文科省の全国教員研修システムとも連動している。

 県教委によると、これまで教員と校長との面談は年1、2回程度で、教員の自己申告を基に行っていた。淀谷圭三郎・県教育長は「教員は学び続ける必要があり、新システムはそれをサポートする強力なツール。学校内に対話しやすい環境が生まれ、教育力を一層高めることができる」と期待している。

 新システムは8月下旬にも、希望する学校で活用が始まる。【佐々木雅彦】

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