盛夏の朝方、長野県松本市安曇の奈川渡ダム(梓湖)近くの県道に、ニホンカモシカの親子2頭がひょっこり現れた。道路を横断しようとしたが、車が行き交う間に、子どもが先に渡ってしまった。
母親らしいカモシカは困った表情を見せて山側の林間に隠れた。子どもはキョトンとした顔で振り返った後、ガードレールを越えて谷側の斜面を下ってしまい、親子は離れ離れに。だが、しばらくして母親が再び姿を現し、猛ダッシュで道路を渡ると、子どもを追って谷側へと消えた。
ニホンカモシカは国の特別天然記念物。母親は春から夏に1頭を産み、1年間は子と一緒に暮らす。朝夕に木の葉などの餌を探すことが多いとされ、親子は食べ物を探して散歩中だったのかもしれない。【武田博仁】
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