海水浴シーズン中ですが、福井県内では今年も海水浴客が野生のイルカにかまれてけがをするケースが後を絶ちません。イルカにかまれる人身被害があった敦賀市の海水浴場では、訪れた一人一人にイルカに近づかないよう注意を呼びかけるなど、対策をとっています。
7月29日、敦賀市の無人島「水島」に向かう船の上から撮影された映像です。水島では、海水浴客の周りを野生のイルカ1頭が泳いでいるのが確認できます。
野生のイルカは、2022年から県内の海水浴場に現れるようになり、海水浴客にかみつく被害を出しています。
田島嘉晃アナウンサー:
「向こうに見えるのは敦賀市の水島海水浴場です。きのう海を泳いでいた20代の男性がイルカに噛まれる事故が起きました」
敦賀海上保安部によると、7日にイルカに噛まれたのは長野県から来て遊泳していた24歳の男性です。イルカを追い払いながら逃げていましたが、右手と左手を噛まれ全治2週間のけがをしたということです。そして、8日も敦賀市の白木海水浴場で、京都府から来た60代の男性と50代の女性が腕を噛まれ、全治3日から一週間のけがをしました。
越前松島水族館の松原亮一館長は「イルカの種類によって異なるが、かまれたら鋭い歯が100本ぐらい生えているので、裂傷を負ったり、縫わないといけない程度のけがをしてしまうことは十分ある」と話します。
水島へと向かう船のスタッフは「イルカが海水浴場に現れる可能性があるので、見かけても近づかないようにお願いします」と、訪れた一人一人に注意を呼びかけていました。
12日までに、福井県内の海でイルカにかまれけがをした人は12人です。そのすべてが敦賀半島で、イルカが半島の広い範囲に出没しているのが分かります。越前松島水族館の松原館長は「九州あたりから来たイルカだと思われる。一日で福井県の海の端から端まで泳いでしまうので、県内のどこにでも現れる可能性がある」と警告しています。
敦賀半島の東にある敦賀市の「手の浦海水浴場」では8月3日、浅瀬で遊んでいた10歳の男子児童が、右手をイルカに噛まれ20針以上縫うけがをしました。
滋賀県から来た海水浴客は「ニュースは知っていたが、この辺では見当たらないので
大丈夫だと…。噛まれるのは怖い」と話し、岐阜県から来た人も「(イルカ被害について)SNSで見ました。友達がアップしていて、びっくりしている。水中眼鏡をしていると奥の方をみてしまう。ちょっとびびっている」と話します
相次ぐイルカの人身事故を受け敦賀市は、市内すべての海水浴場にイルカへの警戒を呼びかけるチラシを配りました。
安全な海水浴のために、“野生のイルカには近づかない”という私たちのマナーも問われています。
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