静岡県焼津市では東海一の荒祭と言われる伝統の祭りが開かれています。現場の焼津神社から中継でお伝えします。

光田有志 アナウンサー:
私がいま来ているお祭りは、8月12日・13日と静岡県焼津市内で行われている焼津神社の大祭「荒祭(あらまつり)」です。

いまはこのお祭り一番の見所でもある「神輿渡御(みこしとぎょ)」が行われている真っ最中なのですが、この神輿渡御、一体どんな行事なのでしょうか。

東海一の荒祭として知られる焼津神社の大祭 荒祭。最大の見所は「アンエットン」という独特の掛け声とともに、お神輿をそれぞれの町へお迎えして祭事を行う「神輿渡御(みこしとぎょ)」。

白装束を身にまとった1000人以上の大集団が朝10時に焼津神社を出発して夜11時に神社へ戻るまで、市内4箇所の御旅所(おたびしょ)に寄りながら総距離約6.5kmを練り歩きます。

参加者:
(Q.いまの気持ちは?)超楽しいです。めっちゃ楽しいです

参加者:
熱中症に気を付けて。明るく、楽しく、元気よく

参加者:
年に一度の楽しみ。めっちゃテンション上がってます

参加者:
盛大にできるようになって本当にありがたい。地震の問題で注意が出ましたけど、それを跳ね除けるくらいの熱量で臨みたい

光田有志 アナウンサー:
荒祭で担がれる2基のお神輿は、屋根と胴体、担ぎ棒が赤い綱で縛られています。

この綱には漁師が船で磨き上げたロープワークの技術が詰まっていて、縛った時はガッチリと、ほどく時にはサッと解けるようになっています。

荒祭と共にこの技術もまた保存会によって脈々と次の世代へと引き継がれてきたそうです。

現在この神輿渡御がいるのはこちら、2か所目となる御旅所「北御旅所」に到着していて、今まさに舞姫たちによる舞が奉納されているところです。

荒祭の「荒」は、元々はまっさらな白装束で身も心も清らかにし、無垢な心で神様と向き合うという意味だとされています。

光田有志 アナウンサー:
そしてきょう(13日)は祭典委員の大石弘道さんに来ていただきました。大石さん、2024年の荒祭、朝からスタートしてここまでいかがですか?

四区櫻組中老・大石弘道さん:
この暑さなので、体力的にはきついけれど年に一回の焼津の祭り。祭り好きはみんな楽しみにしているので、気合と根性で乗り切ろうと。時間的にも順調に進んで、楽しんでいます
(Q.雰囲気もにぎやかですよね)
そうですね。これが焼津神社の大祭 荒祭のメインの形なので

光田有志 アナウンサー:
宮崎県でマグニチュード7.1の地震があり、南海トラフ地震の臨時情報が出ている状況で迎えることになった2024年の荒祭、開催に向けて、地震の対策など話し合われたのでしょうか?

四区櫻組中老・大石弘道さん:
話し合いました。元々荒祭には大祭要綱という細かいルールを記したものがあり、その中に災害時の対応が入っている。今回は地震の情報が出た時点で避難所の確認などをしっかりしようということを付け加えてみんなで話し合いました。
(Q.万全の状態ということですね)
はい、万全の状態です

光田有志 アナウンサー:
2009年の祭りの前日に震度6弱の地震が焼津を襲ったと聞きました。それでもなんとか開催にこぎつけたとのことでしたが何があったのでしょうか

四区櫻組中老・大石弘道さん:
この時は祭り前日の早朝6時頃に大きな地震があった。その年、自分が役職をやっており、地震があった際、北の小樽所を見に来て、そのあと神社に入って確認をしたところ、灯篭が倒れているなどとんでもない状況だった。ただ、祭りの参加者の中に建築業や土建業の人がいるので、総出で復旧にあたり、みんなで力を合わせてやったのがその年の祭りです。
(Q.焼津市民のつながりによって行うことができた?)
そうです。祭り当日余震があり、神事の最中に大きく揺れて瓦が落ちてきたりして、そんな中で祭りを進行したという思い出があります

光田有志 アナウンサー:
まさに焼津市民のみなさんの災害にも負けない強さがうかがえました

光田有志 アナウンサー:
大石さんのお話にもあったとおり、避難経路、避難場所を十分に確認した上での開催ということで、焼津神社のホームページでも神輿渡御のルート近辺のどこに避難場所があるか書かれた地図が公開されていて、みなさんが避難場所を確認できるようになっています。

神輿渡御は、午後6時頃に3番目の御旅所、午後8時10分頃に4番目の御旅所を経て、午後11時頃に焼津神社へと戻っていきます。

光田有志 アナウンサー:
掛け声の「アンエットン」とはどんな意味があるんですか?

四区櫻組中老・大石弘道さん:
焼津の地が栄え、発展するようにという願いを込めた言葉です。漢字にすると「浦賀栄土」。うらがえいど、うらがえいとむという言葉が訛ってアンエットンになったと言われています

光田有志 アナウンサー:
まさに焼津のみなさんの発展を祈ってのお祭りということでした。

威勢のよい「アンエットン」の掛け声は、このあともしばらく焼津市内に響き渡りそうです。

以上、中継でお伝えしました。

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