墓石をはい上がるナメクジを拝む奇祭「なめくじ祭り」が12日夜、岐阜県中津川市の大杉地蔵尊で開かれた。
午後9時過ぎ、中津川市中心部から約40キロの山あいにある加子母地区の祭り会場は多くの参拝客でにぎわっていた。
夜になると出てきて墓石をはい上がるナメクジを見つけて拝む祭りで、平安末期から鎌倉初期の悲劇が由来となっている。
ある武士が友人の妻に横恋慕したが、誤って殺してしまった。武士は悔いて出家し、僧となり、この地で没した。ナメクジは友人の妻の化身で、僧の罪を許し、僧を慕って命日に墓をはい上がる――。そう伝わる。
娘、孫らと訪れた地元住民の鎌田充子さん(54)は「祭りの日は毎年なぜか夕方になると雨が降ってナメクジが出てくる。今年も無事ナメクジが見られてうれしい」と話した。(寺西哲生)
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