特集は、人気のキャンプです。長野県泰阜村で40年以上続く「山賊キャンプ」は、全国から子どもたちが参加し、遊びも食事も自分たちで決めて共同生活を送ります。主体性を育むキャンプの一日を取材しました。


■40年以上続く人気のキャンプ

8月3日

「いっせーのーで!」

清流での川遊びにー。


木を切る子ども:
「かたい」

竹や木を使った工作。

弓を引く:
「おー!」

お菓子作りもー。

子ども:
「うまい!」


泰阜村のNPO法人「グリーンウッド自然体験教育センター」が毎年、夏休みの時期に行っている小中学生対象の「山賊キャンプ」です。

40年以上続く人気のキャンプで、首都圏を中心に全国から子どもたちが参加します。


■子どもたちが自ら企画

最大の特徴は、遊びも食事も、何をするか子どもたち自身で決めることです。

グリーンウッド自然体験教育センター・齊藤新 事務局長:
「われわれがコントロールするというより、子どもたち自身の動きにより、キャンプが変わる。常にすべて自分が決めなければ前に進まない場所で、主体性であったり、協働力を身につける最初の一歩になっているのではないかなと」


キャンプは、期間や内容に応じて4つのコースに分かれていて、3泊から最長9泊まで、共同生活を送ります。何をするかは集まった初日に開かれる「山賊会議」で話し合い、子どもたち自身で決めます。

この日は、期間の短い「ベーシック」と「チャレンジ」の2つのコースに、小学1年から中学2年までの84人が参加していました。


■自然の中で主体性や協働力を育む

昼食の後は、グループ別で活動。

こちらのグループは宿舎の近くを流れる「左京川」で、川遊びです。

沢登りもー。

子ども:
「いえーい!」
「(沢登りどうだった?)ちょー楽しい」


富山から:
「跳んだ時に緊張感が湧いてくるけど、全身に水がつかるから気持ちよすぎる」

東京から:
「2年前にも参加して、去年も参加して毎回楽しかったので、毎回来ている」

大学生や高校生たちがボランティアで参加し子どもたちをサポートしています。


一方、こちらのグループは石組みのかまどでお菓子作り。

火起こしから、調理まで自分たちで頑張りました。

佐久穂町から:
「もちもちしていて、甘くておいしい。自分で夜ご飯、朝ご飯を作り、みんなと協力して、いろんなことができるというのが楽しい」


遊び終わったら夕食の時間。「賊」と呼ばれる10人ほどのグループにそれぞれ食材が与えられ、何を作るかは、子どもたちが話し合いで決めます。

この日の食材は、地元で採れたナスやピーマンなどの野菜と、鶏むね肉など。

女の子:
「ナスもこっちに入れたら」

男の子:
「しょうゆあるから切って、ゆでて、しょうゆつける」


メニューを決めたら調理に取り掛かります。

富山から:
「みんなでアイデア出して、おいしくて早く作れそうなものを選んで、それを実行するみたいな。普段と変わらないけど、友達とやるのが楽しい」


火起こしも―。

子ども:
「やったー!やったー!」
「せーの、ライス!」

どんな料理ができたのでしょうか?


完成したら賊ごとに発表ー。

サポートする大学生:
「きょうのメニューは何ですか?」

子ども:
「チャーハン」

さまざまな料理が完成!

「いただきます」

自分たちで考えて作った料理の味は?

東京から:
「おいしいです。(何がおいしい?)全部。みんなで食べるとおいしいし、みんなといると楽しいことが分かった」
「みそ汁もチャーハンもすごくおいしい。がんばって作ったご飯は、すごくおいしい」


食後の片付けも自分たちで。

山賊キャンプの濃い一日が終わりました。


大自然の中で子どもたちの主体性や協働力を育む「山賊キャンプ」。今年は8月25日までに675人が参加する予定です。

グリーンウッド自然体験教育センター・齋藤新 事務局長:
「一つは人と関わることは面白いと思ってもらいたい。もう一つは、自分が発見したものを大切に持ち帰ってもらいたい。自分が発見したものを大事に持って帰ることが、大人になった時の主体性や、価値観を育てる種になっていく」

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