専門学校生を対象にしたTシャツのデザインコンテストで、秋田市の学生が全国2位に輝いた。商業デザインを学び、自分のための趣味から、人のためになるデザインに目覚めた学生の思いに迫る。

「散歩を拒否する柴犬」で優秀賞に

7月に行われた「Tシャツデザインコンテスト」の表彰式。コンテストは、首都圏などを中心に展開する衣料販売店が全国の専門学校生を対象に開催した。

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応募総数1117作品の中から見事全国2位の優秀賞に選ばれたのは、秋田市の専門学校「秋田コア ビジネスカレッジ」2年生の安田愛衣さんだ。「まさか2位を受賞できるとは思ってなかったので、とてもうれしい」と振り返った。

受賞作品は、愛犬から着想を得て、散歩を拒否する柴犬の姿を表現した。

秋田コア ビジネスカレッジ・安田愛衣さん:
柴犬の表情がとても絶妙になるように意識したので、そこを楽しんで見てもらいたい。このTシャツを着て、会話のきっかけになればいいと思う。

安田さんがデザインしたTシャツ、その名も「拒否柴(きょひしば)」は製品化され、オンラインショップなどで販売されている。

趣味から「人に伝わるデザイン」へ

安田さんが通う秋田コア ビジネスカレッジを訪ねた。2025年に卒業を控える安田さんは、自分の作品をまとめる「ポートフォリオ」を制作していた。

「ポートフォリオ」をのぞいてみると、「拒否柴」や安田さんがイメージした架空の店舗など、さまざまなデザインが並んでいた。

小さい頃から絵を描くことが好きだという安田さんは、「友人に好きなキャラクターを描いてプレゼントしたり、愛犬のイラストを描いたり、子どもの頃から絵を描いていた」と振り返る。

入学前は趣味で絵を描いていた安田さん。高校生の時にプロのデザイナーの授業を受けたことをきっかけに、自分も同じ道を進むことを決心したという。

専門学校では商業デザインを学び、1年生の時に制作したポスターは、県内の企業と提携した学内コンペで見事入賞した。

入賞作品について、安田さんは「入学前までは絵を描くのは趣味で、自分のためのデザインだったが、実際に街角に張られるポスターなど商業デザインを意識して作るのが初めてだった。幅広い視点を持つことを学ぶことができた」と話す。

専門学校の担任・米谷久志教務主任は、安田さんの印象を「課題に対して真剣に取り組む学生で、見た人に伝わるデザインを意識してやっている」と語った。

生活を豊かにするデザイナー目指す

安田さんは、県内の学校の動画やホームページの制作など、デザインについて幅広く学んでいる。

今後の進路については「学校で学んだデザインの知識を生かせるグラフィックデザイナーやWebデザイナーなど、パソコンを使う仕事に就きたい」と意気込む。

米谷教務主任は「働くと、企業ごとにやり方は変わるが、基本的な部分は変わらないので、基礎をしっかり身に付けてもらいたい。どんな仕事に就いても、今学んでいる考え方は変わらないので、学んだことを忘れずに社会に貢献できる人になってもらいたい」と、就職を控える安田さんにエールを送る。

Tシャツデザインコンテストで全国2位に選ばれたことも、デザイナーを目指す自信につながったと話す安田さんは、プロを目指してこれからも挑戦を続ける。

そして「より多くの人の生活を豊かにできるようなデザイナーになりたい」と笑顔で決意を語った。

(秋田テレビ)

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